変えられないものと、変えられるもの。

 福田さんが辞任会見。
 すごいタイミングで辞めたなあ、と思った。いま辞めるのが、確かに民主党へのダメージは一番大きいだろう。一気に総裁選へと盛り上げる気なのか。
 小泉元総理が郵政民営化をかけて解散総選挙した夏の、自分のブログを読み返してみた。私は怒っている。靖国神社に参杯するのは政治と宗教を分けろ定めている憲法に違反する。宗教を政治の道具にするな。靖国神社参拝を「心の問題」などと言うな。小泉さんの後を引き継いだ前安倍総理のときも、怒っている。なにが美しい国だ。抽象的なことを言うな。教育改革という名の現場の締めつけをするな〜!
 そして福田総理が辞めるという今、怒る気にもなれない。なんだかむなしい。これだけ年金問題、不祥事、これまでのツケのような官僚政治の膿みがダラダラ出てきて、後期高齢者の名称を長寿に変えて、場当たり的な対応で、年金を無駄使いした責任も取らず、相変わらずの天下り行政をほったらかしている自民党を、国民がまだ支持していることへの、虚脱感というか……。
 あ、でも国民って私のことなのだな。私が国民なのだ。だから国民の文句なんか言うのは天に唾しているようなものなのだ。思えば、これまで怒ってるだけで具体的なことはなにも言っていない。意見表明もせずに文句ばかり並べていても無意味。
 今度こそ、はっきり言う。私は次の選挙では民主党を支持する。
 政権交替をしたい。
 あまりにも国民をなめきっている自民党の政治家には、一度、辛酸をなめてもらいたい。そして自分たちの膿みを自分たちで自浄してもらいたい。その能力のない政党なら滅べ。
 よく、巷では民主党の菅直人の「オーラが消えた」などという話を小耳にはさむ。この人の顏は昔からちょっと情けない系のたれ目だし、若い頃から昼あんどんタイプで歯切れは悪いのだ。だが、やるときはやる。仕事柄、薬害訴訟や、産廃問題などの社会問題を調べる機会が多いのだが、厚生大臣の時代に菅直人が問題を表面化させて解決への糸口を作った事件がたくさんあることに驚いた。発見するたびに「がんばったんだなあ」と改めて思う。もともと市民運動から出てきた人だけに心底リベラルなのだ。だが、リベラルということがもはや古くさく感じられ、リベラルすら消費されてしまった今日、ノンシャランとした不思議な風貌の漫画好きの麻生太郎に妙な支持が集まるのもわからないではない。でも、私は麻生さんのような人はどんなにビックコミックオリジナルを熟読しても、市民の生活はわからないと思う。いきなり頭を丸めるセンスにはびっくりするが、白装束で巡礼してしまう菅直人の中年の純情を応援したい。それから、宇宙人のような風貌で、スピリチュアルな発言を連発する鳩山由紀夫もめちゃくちゃ面白い。その二人が閻魔様みたいな顏の小澤一郎を担いでいるのも、あまりにもミスマッチで愉快だ。(みなさん、呼び捨てにしてすみません)
 どう見てもこの三人のトリオの方が個性的だし、人間的だし、断然にキャラが立っている。鳩山さんなんて大まじめに宇宙や人類愛を語るのだよ。自民党にいないだろう、そんな人。小池百合子は女性という以外に目新しいところがなにもない。与謝野肇という人は人間の皮をかぶった狸ではないか、と思う。まったく信用できない。おしなべ自民党の政治家はみんな「わかりやすい政治家タイプ」で人としてつまらないのである。わかりやすい人たちに、悪事をするとわかっていながら、政権をまかせることもないだろう。
 晴れて政権という座に座ったとき、民主党内でなにが起こるか、自民党内がどう分裂するか、いまからぞくぞくするほど楽しみだ。
 変化がほしい。混乱しても、新しいことのほうがいい。
 変えられないことはいっぱいある。だけど、変えることができるものは変えたい。
政権政党は変えられる。
by flammableskirt | 2008-09-08 12:05

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