名前が呼べない
2008年 08月 28日
また夢を見てしまった。
今日の夢は二部構成だった。
一部は、遊園地のような、テーマパークのような、そんな場所に行く。
なぜか、友人と三人か四人でそこに行く。他の二人は覚えていないが、一人は映画監督の小栗康平さんである。迷路のようになっていて、暗い建物のなかをぐるぐる回っているうちに、戦前の田舎の家のような室内に出る。古い箪笥がたくさん並んでいる。そのなかの洋服ダンスが、私の実家にあったタンスにそっくりで、思わず中を確かめてみる。中味が違うので「うちのじゃない」と思っていると、いきなり引き戸が開いて、顏半分がケロイド状になった男性が飛び込んで来る。
どうやらここはびっくりハウスで、彼は私を脅かす……というよりも試しているのだなと思う。私はケロイドなんぞで驚かないわよ、と、平然と相手の顏を見て挨拶をすると、彼は「ちぇっ、なんだよ」と残念そうに言った。そして顏を近づけてくるのだが、特に気味が悪いとも思えず、なんとなく仲良くなる。そこに遅れて小栗さんがやって来た。私は小栗さんの履物を探して用意している。一部はそこで終了。
二部は、経緯は忘れたが女だか男だか判然としない人から好意をもたれている。見た目は女なのだが、私に好意をもっているのだから男なのかもしれない。どっちかよくわからない。その人は、私のことを怒っている。彼女の好意に報いないせいのようだ。怒って、帰ってしまう。私はその後姿を、窓から見ているが「そのうち戻ってくるだろう」と思っている。
案の定、すぐに戻って来たのだが、彼女は小型犬を二匹連れている。そしてその小型犬二匹を、ぽいっと私の方に投げ捨てて、また走り去ってしまうのだ。
おいおい、ちょっと待てよと思うが、犬が走り回って逃げ出したので、これは大変と犬の後を追う。一匹は捉まえたが、もう一匹がものすごく急な坂道にある商店街のアーケードに逃げ込む。必死で追いかけるものの、なかなか掴まらない。私は犬の名を呼ぼうとする。
が……、犬の名前がわからない。知らないのだ。
おいこら、まて〜と、言うものの名前を呼べない。
犬は商店街の人につかまえられる。追いついて、犬を預かろうと思うが、犬の名前を知らないので犬をこちらに呼び寄せることができず、とても困っている。
名前が呼べないというのは、不便なものだ、と目が醒めてから感じていた。