原爆の絵
2008年 08月 05日
ハチロクのヒロシマに行っている友人からメールが来た。
今年は行かない。とうぶん、行かないだろう。
今年も広島はとっても暑いそうだ。じんじん蝉が鳴いているという。
ハチロクになると、平和記念公園の、あのむんとした暑さが蘇ってくる。
小説「被曝のマリア」から、3回目の夏。
新しい作品のモチーフが浮かんだ。原爆に再挑戦だ。
よく、なぜ原爆をテーマに選んだのですか?と聞かれた。ぜんぜん関係ないのに……と。
深い理由はないけれど、あえて言うなら、特別だからかもしれない。
特別の出来事なので、見たくてたまらないからだ。
被爆者の方達が描いた原爆の画集がある。
「原爆の絵 ヒロシマの記憶」「原爆の絵 長崎の祈り」(どちらもNHK出版)
うちの娘は私の仕事場に来ると、よくこの二冊を見ている。
すごく見たいらしい。たぶん、想像を絶するからだろうし、自分が揺らぐからだ。
ものすごく安穏とした日常を生きている娘にとって、
そんなものが根こそぎ崩れて壊れていくという、過去の現実を見ることは、心のなかが不安になること……。だけど、人はその不安を体験したいという妙な願望もあるのだ。
この本のおさめられている絵はほんとにすごいです。
なんだか、ほんとに、すごいんです。