季節の変わり目

岐阜への出張が終わってほっとして梅雨明け。
……いきなり夏になり、90歳のおばあちゃんが暑さで熱中症に。
部屋のなかで蒸れたらしい、というのも、おじいちゃんが風が嫌いで窓を開けないからだ。
どんなに「窓を開けて風を通してね」と言っても、「クーラーつけて室温下げてね」と言っても風も嫌い、クーラーも嫌い。自分は平気らしく締め切ってむんむんする部屋に二人で居る。おじいちゃんはがんこで、おばあちゃんのことは考えてくれない。あまり汗が出ないおばあちゃんは、熱が身体にこもって苦しくなるのだ。
「おばあちゃん、室内熱中症になったんですよ」
そう言って、部屋と頭を冷やしたら具合が良くなった。
「熱中症は、伝染するの?」
「伝染はしませんよ、日射病みたいなものです」
しかし、一度不安になると、心配性のおばあちゃんは夜通し頭を冷やし続けるために眠れず、けっきょく睡眠不足になってふらふらになり、今日、病院に連れて行って点滴を受けてほっとしていた。
「救急で行きたい」
と、朝ごはんを食べながら言う。ごはんが食べられて元気なのに救急はないだろう……。
とにかく病院に行ったら安心する。どうしてこんなに病院が好きで、病院を信用しているのか、私にはよくわからないが、病院に対する信仰に近いものをもっている。
おじいちゃんは、相変わらず、窓を締め切ってテレビを見る。窓を開ける習慣を、これからつけることができるのかどうか……。涼しくして水分をとる。ただ、それだけのことで病院に行く必要はないと思うのだが、病院に行きたくてたまらない。
後期高齢者医療はひどいと思うが、後期高齢者は確かに、病院好きである。
私は、朝4時からおばあちゃんの相手をして、掃除洗濯、病院に送り、眠いぞくそっ。

来週から、早池峰山に登山だ。もう少し、体調を整えておかないと、自分が救急で運ばれそう。娘はアトピーが悪化し、季節の変わり目はやはり体調を崩しやすい。人間は強いんだか、弱いんだかようわからん。
by flammableskirt | 2008-07-23 14:15

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