今日もこんなものだ
2008年 07月 03日
昨日は、早めに仕事を切り上げ家の掃除をし、庭の植物に水をあげてから、早めに娘とお風呂に入り、夕食後に「ヒーローズ」を観た。
だんだん人間関係が入り組んできて、なにがなにやらしっちゃかめっちゃかになっていくが、あらゆるドラマツルギーをごった煮にして、すごいスピードで物語は進む。
細切れに、いろんな人物のエピソードが入ってくる。だから、時間軸がぐらぐらしてくるが、この人たち、さすがに超人だけあって寝てる時間があるのかよ……と思う。そういうことを考えてもしょうがないドラマなのだが。
超能力者がたくさん出てくるが、そのような能力は、あればあったで大変そうで、また人生のどんな役に立つのかよくわからない。でも、それが自分なのだから、水俣の杉本栄子さん風に言えば「のさり」なんだろう。天から授かったもの、与えられたもの。その力に翻弄される人たちを描いているドラマ……と言える。このあいだ、べてるの家に行って来て、このドラマに登場する超能力者のような気分で生きている、ビョー気の人たちと会って来た。観ているとすごくダブる。頭のなかに別の声が聞こえたり、世界が終わると感じたり、自分が不死身のように思えたり……。
回復に向かうと彼らは「自分がドラマの主人公から降りたような気分」「ふつうの日常が延々と続くことに疲れる感じ」をもつという。そして「むなしく、淋しい」。発病している状態というのは、多かれ少なかれみんな「ヒーローズ」な気分で生きているんだろう。でも、最近、そういうドラマチックな統合失調症は減少傾向にあり、「うつ」や「ボーダー」といった、まったりした障害の方が増えているとも聞く。そうなのかなあ……と思う。ほんとうの「鬱病」と「うつ症状」というのは、ちょっと別のような気がする。ほんとうの鬱病は「うつろ」ではなくて、どちらかといえばあまりにみっちりと詰りすぎていて過剰すぎて行動ができなくなっているような感じだ。だけど、「うつ症状」というのは、むなしさや不安や不満が根底にあって、それは簡単に「劇場型の爆発」と結びつくような気がする。
「ヒーローズ」というドラマは、ほんとうにぴったりのネーミングだと思う。自分の抱えている孤独や虚しさや、淋しさを否定して、自分は特別の存在、ヒーローになろうとすると、劇的な人生が始まるが、だがそれはハタ迷惑だし、自分も窮地に追い込まれる。
唯一、能力をコントロールして安定した能力者が「透明人間」であることが、深い!
特別な存在であるがゆえに透明であることで生きのびる男は、「力をコントロールしたかったら、依存するな」と教えるのだ。「特別な自分を受入れて、孤独になれ」と。
夜半から強い風が吹き、また雨が降ってきた。
よく降るなあ。
たぐち
だんだん人間関係が入り組んできて、なにがなにやらしっちゃかめっちゃかになっていくが、あらゆるドラマツルギーをごった煮にして、すごいスピードで物語は進む。
細切れに、いろんな人物のエピソードが入ってくる。だから、時間軸がぐらぐらしてくるが、この人たち、さすがに超人だけあって寝てる時間があるのかよ……と思う。そういうことを考えてもしょうがないドラマなのだが。
超能力者がたくさん出てくるが、そのような能力は、あればあったで大変そうで、また人生のどんな役に立つのかよくわからない。でも、それが自分なのだから、水俣の杉本栄子さん風に言えば「のさり」なんだろう。天から授かったもの、与えられたもの。その力に翻弄される人たちを描いているドラマ……と言える。このあいだ、べてるの家に行って来て、このドラマに登場する超能力者のような気分で生きている、ビョー気の人たちと会って来た。観ているとすごくダブる。頭のなかに別の声が聞こえたり、世界が終わると感じたり、自分が不死身のように思えたり……。
回復に向かうと彼らは「自分がドラマの主人公から降りたような気分」「ふつうの日常が延々と続くことに疲れる感じ」をもつという。そして「むなしく、淋しい」。発病している状態というのは、多かれ少なかれみんな「ヒーローズ」な気分で生きているんだろう。でも、最近、そういうドラマチックな統合失調症は減少傾向にあり、「うつ」や「ボーダー」といった、まったりした障害の方が増えているとも聞く。そうなのかなあ……と思う。ほんとうの「鬱病」と「うつ症状」というのは、ちょっと別のような気がする。ほんとうの鬱病は「うつろ」ではなくて、どちらかといえばあまりにみっちりと詰りすぎていて過剰すぎて行動ができなくなっているような感じだ。だけど、「うつ症状」というのは、むなしさや不安や不満が根底にあって、それは簡単に「劇場型の爆発」と結びつくような気がする。
「ヒーローズ」というドラマは、ほんとうにぴったりのネーミングだと思う。自分の抱えている孤独や虚しさや、淋しさを否定して、自分は特別の存在、ヒーローになろうとすると、劇的な人生が始まるが、だがそれはハタ迷惑だし、自分も窮地に追い込まれる。
唯一、能力をコントロールして安定した能力者が「透明人間」であることが、深い!
特別な存在であるがゆえに透明であることで生きのびる男は、「力をコントロールしたかったら、依存するな」と教えるのだ。「特別な自分を受入れて、孤独になれ」と。
夜半から強い風が吹き、また雨が降ってきた。
よく降るなあ。
たぐち
by flammableskirt
| 2008-07-03 10:22