イタリア udineの文化祭にて
2008年 03月 12日
今回はudin市の文化祭が「Geisya No Geisya」という日本女性をメインテーマにしたもので、現代の日本女性についてたくさんのシンポジウムが開かれました。
日本からは、私こと田口ランディ、金原ひとみさん、桜井亜美さん、長谷川純子さん、の4人の女性作家が招待されてシンポジウムを行いました。

シンポジウム会場で。日本女性がテーマということで着物にしてみた。しかし、このテーマすごいなあ。芸者か、no芸者か、って言われても、芸者という単語自体がピンときませんが……。場もちがいいのだけが取り柄の私は、芸者だと答えておいた。

イタリア語の翻訳者のジャンルーカ。いつもイタリアでのイベントでは通訳も、マネージャーもこなしてくれる大親友! とってもすてきで誠実な青年。古風な日本人のような几帳面な性格で、いつも「これだからイタリアは……」とイタリア人のアバウトさにげんなりしている不思議なイタリア人。

日本の女性文学のシンポジウム、右から金原さん、桜井さん、長谷川さん。私のシンポは前日だったので、この日は会場で観客として聞いていました。イタリア人から出た質問がおもしろかった。「源氏物語をどう思うか?」ちゃんと読んでいたのは、イタリア人のジャンルーカだけ(笑)

日本語の研究者で、日本文学にも詳しいアントネットさんを囲んで。私と長谷川純子さん。アントネットさんは大阪に住んでいたので、彼女の日本語は大阪訛り。なんだか日本のおっかさんという感じで、とても楽しい頼れる人でした。すっかり仲良しになり、三人で夜中まで飲んじまったぜ〜。

イベントがあるので、町の本屋さんには私の本がポスターといっしょに並べられていた。これは、「アンテナ」と「コンセント」。この夏には「モザイク」が発売予定。こうして宣伝してもらえるととてもうれしい。イタリアの書店はみな大きくてきれいで、すてき! イタリア人は本好きなのだなあと思う。

これは、イタリアで売られていた、村上春樹さんのイタリア語版の「海辺のカフカ」。
イタリアの本の装丁って、かっこいいんだよ〜。

イベントが終ってからみんなと別れて、ジャンルーカとミラノへ。ミラノの駅は古くてかっこよかった。ほんとうに古くて、大戦後みたいな感じ。


イタリアの本を見ると「最近の日本の本って字がデカ!」と思う。

ミラノから、電車でスイスのローザンヌへ。国境を越えるといきなり車内アナウンスがフランス語に変って面白かった。ここは、ローザンヌのアール・ブリュット・コレクション。かわいいお城の美術館だった。


アール・ブリュット・コレクションでは、いま日本人展が行われていて、この大阪の帽子のおじさんのパフォーマンスがビデオで流れていた。字幕が間違っていて「岡本太郎」が「okada taro」になっている。直してほしいと伝えたが、もう DVD になっちゃってるって。世界の岡本太郎を間違えないでくれ〜。

ローザンヌのセントラルの夜景。ほんとうに美しい町です。ヨーロッパに行くと、人々の暮らしぶりの質素さに衝撃を受けます。自分が日本人としてこれからどう生きたらいいのか、考えるよい機会になった。そして、ユーロは強かった。なんと1万円で60ユーロ。イタリアからスイスフランになったとたん、物価が安く感じた。スイスはとても暮らし良さそうだったなあ。スイス人って賢いと思う。ホテルも快適。しかし、ずっとチーズと生ハムばかり食べていたので胸焼けした。
日本に帰って来て、納豆ごはんにみそ汁を食べて心底ほっとしました。