算数の勉強
2008年 02月 15日
学校で「割合」の授業が始まったのだそうだ。子どもはこの「割合」がわからない。
この数学的抽象概念がわからない。
百分率と少数と分数の関係がわからない。
応用問題になると、なにがなにやらわからない。算数の教科書を見てみた。
うーむ、この教科書では確かにわからないかもしれない。
分数の計算も、少数の計算もできる。
だが「割合」というのは、基準にするものによって変化する「概念」なのだってことがわからないようだ。説明していると私までこんがらがってくる。
「これがわからないと、バーゲンで買い物ができない!」
「え〜?」
「定価29000円のコートが20%引きになっている。いくらだ?」
「一冊五百円の文庫本の印税は10%だ、1万3000冊売れると、母さんはいくら儲かる?」
割合は実生活にもっとも必要な「算数」だと思うわたしは、必死で教えるが、私自身は誰に教わったわけでもなく……というか、学校で勉強した記憶はまったく残っていなけれど、原価計算など、社会に出ると「割合」の知識がどうしても必要だったので、恥をかきながら覚えた。だから、いまやらなくても必要ならそのうちわかるようになるか……とも思うのだが、勉強していると面白いのでいっしょに家庭学習をしている。
高度な応用問題になると、パズルのようだ。私にもわからん。なにしろ数学苦手だった。
へー、こうやって割合を調べて、未知なる長さを導き出すのか……、などなど、こんな年になって感心しつつ、算数を勉強しているのである。ふだん、まったく使わない頭の回路で、とことん錆びついていて、マジで五年生の問題が解けず、夜中まで二人で悩むことも。
子どもは翌日なると、ゆうべの勉強はきれいさっぱり頭から抜けている。うらやましいほどだ。どうもまだ回路がつながらないらしい。あるとき、つながったら、私など簡単に追い越されてしまうんだろうが、つながらないうちは、わからないことはわからない。なぜ、わからないのかと言われてもつながっていないのだからどうしようもないのだろう。本人も、頭ではわかっていても(記憶していても)納得できず、悔し泣きしたりする。ほんとうに、わからないようだ(笑)
脳って面白いなあ……と、子どもを見ていてよく思う。
いつ、つながるのかな。ぱちんとつながった瞬間が見たくて、つい、毎日勉強を見てしまう。
「あ、そうか!」
と、子どもが言うときは、頭に電気がともったのが見えるようで笑える。
「なんでわかんなかったんだ〜、じーん!」
と、わかったことで感動していて、人間って、わかるって快感なんだなあと思う。
なんて好奇心の強い、不思議な生き物なんだろう。