今日は旧暦の新年です。
2008年 02月 07日
仕事で福井に行った。吹雪いていてものすごく寒かった。
せっかく福井まで行ったのに、おいしいものはなにも食べる暇がなかった。
ホテルで昼食食べて、対談して、ホテルで夕食食べて、対談した。
帰りに武生の駅で立ち食い蕎麦を食べた。それが一番おいしかった。
蟹弁当を買った。蟹以外、なにも具がなかった。ちょっとさあ、もう少しなんとかしてよ!
家に戻ってけんちん汁を食べた。家のごはんが一番おいしい。
外食が、とてつもなく苦手だ。
中途半端な料理は、食べたあと舌の先が割れて痛くなる。
出張中に駅のかけ蕎麦を食べると、胃がほっとする。
このあいだ、飛行機の機内誌で浅田次郎さんのエッセイを読んでいたら、浅田さんは駅の立ち食い蕎麦屋に入ろうとして「あ、浅田次郎だ」と言われただけで恥ずかしくて逃げ出したのだそうだ。男の人はナイーブなんだなあと思った。そもそも私はそんなに売れてなどいないので顔を知る人はいないし、もし「あ、田口ランディ」と言われても、まったく気にせず立ち食いソバを食うだろう。その浅田さんがやはりエッセイのなかで「電車のなかで食べ物を食するとは……」と、いまどきの若者を嘆いており、さすが美学があるのだな、と感心した。実は私はいい年をして、電車のなかやホームで平気で菓子パンなど食べる女なのだ。思うに私は食べているところを人に見られても気にならないという、デリカシーのない人間なのだ。でも、そんなに食べる様子を見せられるのが不快な人たちがいるのなら、やめようと思う。
ちなみに私は、目の前で食べたり飲んだり化粧したりされてもまったく平気である。いやなのは、キスしていたり、いちゃついていたり、大声でしゃべったり、空いている席に荷物を置いていたりすることで、一人静かになにかをやっている人のことは気にならない。
以前に、黙々と目の前でチョコレートを食べ続ける美人がいて、かっこいいな〜、と思った。
意外に思われるかもしれないけれど、私は女であり、おばさんであり、ぬいぐるみ好きである。女だと思っていない人が多いので、とりあえず断わる。私は女だが、もう50を目前にしたおばさんであり、さらにぬいぐるみが好きなのだ。
こういう、あまりリアルじゃない、くねくねした、味のあるぬいぐるみが好きであり、つい買ってしまう。リアルでないほどいい。デフォルメがユニークなほどいいんだけどな。
ぬいぐるみを買う、という行為そのものが好きだ。ぬいぐるみを買うのはよほどそれが気に入ったときで、「ねえ、買ってよ!」とぬいぐるみが呼びかけてくる。その瞬間がいいんだよ。
今日は旧暦の新年で、気分一新で仕事に取り組もうと思い、最初に書いたのがこのブログだ。ぜんぜん一新してないじゃん、と思う。
このまえの日曜日の讀売新聞に「キュア」の書評が載って、掲載紙を記者の方が送ってくれた。すばらしい書評で、とても自分の書いた本のこととは思えない。嬉しいような怖いような妙な気持ちだ。