いつまで黙ってる?

いつまで黙ってる?_c0082534_17551569.jpg
学生たちが厳選した「声をあげる」映画全15作品。水俣病の映画のゲストトークをした時、現役大学生の女性三人がスタッフとして参加していた。若いのに問題意識高いな〜と思っていたら、その時の一人からこんな映画祭の案内が届いた。日本大学芸術学部に学生による映画祭で、テーマは「声をあげる」だそうだ。主旨文にはこうある。2023 年10 月のハマスとイスラエルの軍事衝突以来、ガザ地区を中心に犠牲者 は4 万人を超え今も増え続けています。さらにイスラエルは、レバノン各地へ の空爆による攻撃を始め、新たな土地で子供や女性を含む多くの民間人が現在 も犠牲になっています。また、2 年前に始まったロシアによるウクライナ侵略 は、いつ終わるともしれません。昨年11 月末、アメリカ各地の大学ではイスラ エルに対して反戦を求めるデモが起こり、若者の勇敢な行動が大きな話題を呼 びました。学生たちは、大学に対し、大学基金や授業料を通じたイスラエル軍 関連企業への投資を中止するように求めました。彼らの抗議の声は瞬く間に世 界に広がり、日本の大学でも東京大学をはじめ、各地で声が上げられています。しかし、それはごく一部の学生に限り、私たちを含む大半は「自分の問題 ではない」と静観しました。この現実に起きている問題に対して、目を向けな いことへの危機感こそがこの企画の発端です。学生として学びながらも選挙権を持つ社会の一員として、私たちが歴 史を受け継ぎつつ現状を直視し、間違っていることに対して「声をあげる」ことはとても重要なのではないでしょうか。今回の映画祭では、これまでに起こった古今東西のさまざまな事件や現在にも通ずる社会問題について「声をあげ る」人々を扱った映画に焦点を当てています。当時の学生や市民は何に対して怒り、どのような方法で声をあげたの か。私たちがいま「声をあげる」ことを考えた時に、どうしたらいいかを教えてくれるきっかけがありそうです。そ して、世界で起こっている事件を自分たちにも関係のある問題として捉え直し、どのような行動を取るべきなのかを 改めて考え直すきっかけにしたいと考えています。映画を学ぶ私たちにとって、こうした映画を集めて上映すること が、最初の「声をあげる」行為だと信じています。そのとおりだ!いま、声を上げなくていつ上げる?っていう時代だ。人類が先延ばししていた課題がすべて頭の上になだれ落ちているような、そんな時代だ。以下、ラインナップ15本が凄いです。『蟹工船』(山村聰/1953/日本/110 分/35mm/モノクロ/配給:北星/所蔵:国立映画アーカイブ) 『日本解放戦線・三里塚の夏』(小川紳介/1968/日本/108 分/16 ㎜→DCP/モノクロ/配給:小川プロダクション→アテネ・ フランセ文化センター) 『日大闘争』『続日大闘争』(日大全共闘映画班/1968/日本/58 分+55 分/16 ㎜/モノクロ) 『水俣‐患者さんとその世界‐』(土本典昭/1971/日本/167 分/16 ㎜/モノクロ/配給:シグロ/上映素材提供:Palabra) 『憎しみ』(マチュー・カソヴィッツ/1995/フランス/95 分/35 ㎜→DCP/モノクロ/配給:Le Pacle/上映素材提供:イスラ ーム映画祭) 『ソビブル、1943 年10 月14 日午後4 時』(クロード・ランズマン/2001/フランス/98 分/35 ㎜→DCP/カラー/配給:Why Not Productions/上映素材提供:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム) 『沈黙を破る』(土井敏郎/2009/日本/130 分/DVCAM→Blu・ray/カラー/配給:シグロ) 『マイ・バック・ぺージ』 (山下敦弘/2011/日本/141 分/35 ㎜/カラー/配給:アスミックエース) 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(ジョージ・ミラー/2015/アメリカ/120 分/Blu・ray/カラー/配給:ワーナー ブラザース) 『首相官邸の前で』(小熊英二/2015/日本/109 分/DCP /カラー/日本語[英語字幕付き]/配給:アップリンク) 『1987、ある闘いの真実』(チャン・ジュナン/2017/韓国/129 分/DCP/配給:ツイン) 『燃えあがる女性記者たち』(リントゥ・トーマス、スシュミト・ゴーシュ/2021/インド/93 分/DCP /カラー/配給:きろ くびと) 『時代革命』(キウィ・チョウ/2021/香港/158 分/DCP/カラー/配給:太秦) 『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』(マリア・シュラーダー/2022/アメリカ/129 分/DCP/カラー/配給:東宝東和)いやーーー!これ、全部観たら、どんな気分になるかな。少なくとも彼女たちは全部観たんだろうな。いま、何を思うのかこちらが聞いてみたい。なかなかふだん観れない貴重な映画ばかりです。ぜひ、この機会にご覧になってみてはいかがでしょう。


詳細は以下~映画祭「声をあげる」開催概要~
□主催:日本大学芸術学部映画学科映画学科映像表現・理論コース映画ビジネスゼミ、ユーロスペース
□会期:2024 年12 月7 日(土)~12 月13 日(金)1 日4 回、各作品2 回ずつ上映
□会場/一般のお問い合わせ:ユーロスペース(東京都渋谷区円山町1-5KINOHAUS3F TEL:03-3461-0211)
□:公式ホームページ:https://www.nichigei-eigasai.com/top

by flammableskirt | 2024-11-15 17:56

作家 田口ランディの新刊・イベント情報・近況をお知らせします。 


by flammableskirt
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30