5月21日〜22日(土・日)湯河原温泉で1泊2日のアートワークショップを開催します

コロナウィルス拡散の不安から、少しずつ解放されている昨今、いかがお過ごしですか。私は長いzoomミーティング生活に食傷気味ですが、かといってこの便利さは捨てがたい。これからの人生をどうデザインしようか思案中です。

湯河原町という田舎に住んでいると、東京への外出は一日がかり。交通費もバカにならず……。都会生活を捨てた身としては、全面的に都会人に歩調を合わせて20年間がんばってきました。それが、コロナになってから、都会から湯河原にみんなが来てくれるようになった。コペルニクス的転回です。

都会の密さに比べたら、人口2万5000人のこの町はスッカスカ。平日の昼間なんて道路に人もいないが車だって走ってませんから。そのかわり、海と山と川と温泉があり、鳥は常に鳴いており、初夏の風がさわやかです。いまはみかんの花が咲き、甘いさわやかな香りが空気に満ちて心地よい。移住してくる人も増えました。

30年前にこの町に引っ越してきて、やっと最近「自分はこの土地に根を下ろしたなあ……」と実感できるようになりました。それも、コロナのおかげかもしれません。

地元の湯河原町で、さまざまなワークショップを開催するようになりました。きっかけは、「湯河原リトリート・ご縁の杜」でクリライ講座を企画していただいたことです。参加者が多くキャンセル待ちになり、結局、毎月のように開催することに。湯河原に来ることで気持ちが切り替わるんだなあと、私にとっても新たな発見。

宿泊型のワークショップは、非日常感があり、思い切り自分を出せるところがいいんでしょう。みなさん、自分のテーマを見つけたり、出会ったメンバーとの会話を楽しんだり、温泉でのんびりしたり、それぞれの過ごし方をしてお帰りになります。

5月21日〜22日の土日で、田口ランディと画家の中津川浩章さんのアートワークショップを開催します。このワークも「ご縁の杜」さんで開催します。こちらのお宿はリトリートのためのお宿で、お料理も野菜中心のヴィーガン料理です。もともとは湯河原の老舗の温泉旅館でした。

アート・ワークショップって何?と思われる方が多いです。
クリライが文章を書く講座なら、アートワークはアート作品の創作を体験する講座です。今回は「曼荼羅コラージュ」を選びました。コラージュとは「雑誌などの写真や絵を自由に切り抜き張り合わせる手法」のことです。どっさり用意した写真をビリビリ破き、インスピレーションにしたがって貼り合わせていきます。この作業、実に楽しいし集中します。

ほとんどの人がグラビア雑誌を破く体験なんてないんです。破くこと事態がタブーを犯す不思議な快感。そして自分が思わぬ絵や写真に惹かれる不思議。この曼荼羅コラージュは心理芸術療法として取り入れられている、誰もが体験し、個性的な作品を仕上げることができるワークです。材料すべてご用意するので身体一つで来てください。

画家の中津川さんはこの「コラージュ」の指導がたいへん得意な、有能なファシリテーターです。画家であると同時に、障害者アート(アール・ブリュット)の研究の第一人者で、内外の様々な展覧会をキュレーションしています。
なかなか普通では体験できない中津川さんのファシリテートですが、たまたま家が近所(小田原在住)なので、湯河原でのワークが実現しました。

今回は中津川さんの「シュールリアリズムと心理療法の歴史」の講義もあります。シュールリアリズムが芸術療法を生み出すに至った歴史的経緯を知るのもとっても面白いですよ。

私は2日目のドラマワークを担当します。サイコドラマやスタニスラフスキーシステム(世界的な俳優修業のメソッド)を学んできた、その経験をベースに、お互いの作品世界をドラマのように演じてみるという、スリリングなワークを行います。これは、みなさんとってもハマります。人間には誰でも潜在的に「演じたい」という欲求があるようです。自分とは別のものになる自由さと、普段の自分以上のリアリティを体験できます。

みなさんが、コロナ後の自分の未来について、なにかしらのインスピレーションを得るきっかけになれば幸いです。

湯河原でちょっとディープな1泊2日の旅。
★田口ランディ&中津川浩章★ 
湯河原リトリートにて一泊二日のアートワークス
「曼荼羅コラージュ&ナラティブ・ワーク」

日時:
2022年5月21日(土)、22日(日)
場所:
湯河原リトリート ご縁の杜
神奈川県足柄下郡湯河原町土肥5-4-6
定員:25名
金額:1泊2日2食つき
55,000円(講座39,000円+宿泊費16,000円)
(クリエイティブ・ライティング講座受講経験者は5000円の割引があります)

お申し込みとお問い合わせは以下のメールアドレスにお願いします。
contact-mail@essential-management.jp 担当 高本
 メールのタイトルに「湯河原アートワーク参加申し込み」
 メールにお名前・連絡先メールアドレス・電話番号
 ・クリエイティブ・ライティング参加経験者はそのことも記入

以上を明記のうえ、お送りください。



田口ランディ

小説家 エッセイスト
1959年生まれ。2000年に「ひきこもり」をテーマにした小説「コンセント」(幻冬舎)を発表しベストセラーに。その後も社会問題を通して人間の心の闇をテーマに広く執筆活動を展開。
2001年に第一回婦人公論文芸賞を受賞。作品は他言語に翻訳され、『コンセント』『アンテナ』は映画化された。フィクションとノンフィクションを往還しながら独自の作品世界を構築。『パピヨン 死と看取りへの旅』『ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ、原子力を受け入れた日本』『富士山』など著作は共著も合わせると60冊以上に。
著述以外にもアート、音楽など他分野のアーティストとコラボレーションを展開。障害をもった子どもたちとのアートワークショップを定期的に続けている。社会活動では発達障害の会を地域で立ち上げるほか、や原発問題を扱う研究会「ダイアローグ研究会」や、放射性廃棄物最終処分に関する対話の場づくりを続けている。
自身の家族の体験から介護・アルコール依存症、看取りの問題にも詳しい。2017年に元オウム真理教信者だった死刑囚との交流をもとに描いた小説『逆さに吊るされた男』(河出書房新社)を発表。宗教的な作品も多いため、宗派を超えてさまざまな宗教者と対談を出版している。


中津川浩章

美術家 アートディレクター
アーティストとして国内外で展覧会多数。記憶・痕跡・欠損をテーマに、ブルーバイオレットの線描を主体としたドローイング・ペインティング作品を制作。ライブペインティング多数実施。2019年、ロヴァニエミ美術館(フィンランド)「精神の〈北〉へ」出展。
25年ほど前から障害がある人たちの表現活動のサポートに関わるようになり、アートディレクターとして福祉施設のアート活動全体のディレクション、定期的にワークショップの実施、展覧会のキュレーション、個々の作家や作品に対するアドバイスなどをおこなう。20年にわたり専門学校や大学で美術・デザインの専門教育に携わる。アート、福祉、教育と分野を横断して、社会とアートの関係性を問い直す活動に取り組んでいる。
​福祉施設以外にも、障害者のためのアートスタジオディレクションやアート寺子屋の運営、展覧会の企画・プロデュース・キュレ―ション、画集企画・編集などを手がけ、アートコンペのディレクション、選考委員などを務める。
現代アート、美術史、アウトサイダーアート、インクルーシブ教育などをテーマに、美術館、大学、福祉施設、特別支援学校、企業などさまざまな場で授業レクチャー、講演セミナー、執筆等をおこなう。
障害者、支援者、子どもから大人まであらゆる人を対象に、アートワークショップを全国で行っている。震災後のトルコや福島、仙台でも開催。アーツ千代田3331スタジオでは、バリアフリーの制作サポート教室「エイブルアート芸術大学」を運営する。

5月21日〜22日(土・日)湯河原温泉で1泊2日のアートワークショップを開催します_c0082534_15083908.jpg


by flammableskirt | 2022-05-07 15:09 | イベントのご案内

作家 田口ランディの新刊・イベント情報・近況をお知らせします。 


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