パチンコ依存症と感染防止

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■パチンコ依存症と感染防止

国道沿いにあったゴーカートのレース場がパチンコ店になって景色が変わってから、パチンコ店は好きじゃない。地元では「老人の年金をまきあげてる」と言う人も多い。父親がアルコール依存症だったから、依存症のことはよく知っている。

パチンコは依存性のある遊戯だ(医学的にも)。何度か行ってみたけれどけっこう快感。大音響とじゃらじゃら弾けるパチンコ玉。たまにヒットすると盛大なファンファーレで讃えてくれる。人生であんなに豪勢にファンファーレが鳴ることなんてめったにないし、やっぱ嬉しいじゃないか。アタマが真っ白になる。なんにも考えないでいられる。脳内のドバって快感物質が出る感じ。パチンコに行くなと言われても、依存症の人は行くよ。あれはいわゆる薬物探索行動だから。そして、依存症の特徴として「行くなと言われれば言われるほど行きたくなる」のだ。
テレビなんか取材に来てくれたら、ますます行く。
なぜなら依存症はとても淋しい人の病気なんだ。
淋しくて、淋しくてたまらない。だから社会が、他者が「あんたそんなとこに行ったらコロナに感染するぞ」ってかまってくれたら、それがうれしくてますます行く。関心をもってくれるのがうれしい。
感染より関心が大事な人たち。それが依存症の人々。

パチンコは人を依存させる。アルコールも人を依存させる。お酒は売られている。平等であるためにはパチンコもあってよしだ。
パチンコ店が営業を続ける。日頃からパチンコにはあんまり良い感情をもっていない私は「ちっ」と思う。あんなもん百害あって一利なしだよ、と依存症の家族をもつ側に立って思う。
パチンコ店の名前が公開された。それに対しても「当然だよ」と思う。でも、待てよ……とも思う。もともと好きじゃないから、そう思っているだけじゃないかと。

ギャンブル依存の人からギャンブルを取り上げたら具合が悪くなる。これは病気だからね。脳の病気なんだ。精神論ではどうにもならない。治療が必要な病気なんだ。
だから、パチンコ店が休業するなら、パチンコ依存症の人たちのレスキューも必要だ。もともとパチンコに依存するのは淋しい人が多い。孤立感をもっている。そういう人がこの情況で行き場を失うことも考えていかないと、と思うけれど、人と接触できない今、何ができるんだろう。

開店しているパチンコ店の名前を公開したら、パチンコが切れて禁断症状が出ている人たちは、一斉にそこに行くよ。どんなに遠くても薬物探索行動に出るよ。日本中から集まってくる可能性だってある。

いっそのことパチンコ店の駐車場でPCR検査をして、感染していた人は感染防止のためにしばらく隔離となれば、その間に依存症の治療もできるかも。軽症者だけのピアミーティングとか……。そんなことを考えたりした。

こういうことって、マルチタスクで対応しないと。なにか一つの現象にも複数の要因がぶらさがっているから、それらを一気にうまくやるマネジメント……みたいなのが。全体を見る目っていうのかな。そういうことが求められていると思うんだ。

いろんな知見をもった人が集まって、全部がうまくいくような仕組みを妄想してみてもいいよね。


by flammableskirt | 2020-04-28 10:52

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