見てはいけないような霊的富士山の写真集

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明日からの旅支度が終わらず、これでミャンマーで講演ができるのか?とオーマイゴッド!な修羅場の最中に届いた一冊の写真集。送り主は長年の朋友・佐伯剛氏だった。
佐伯さんが写真を構成したという。くそ忙しいのだが、見たくてたまらないので包みを開いてしまった。そして……「お、表紙がすごくいいな」と思ってしまった。ついページを開いてしまった。ぎょぎょぎょ!と驚いてしまった。
これは、なんだ見たことのない富士山だ。異形の富士だ。神がかっている。オカルト、スピリチュアル……うーん、どう言えばいいんだ。宇宙的で果てしなくぶっとんだ富士山だ。こういうものを送られたら、紹介しないわけにはいかんじゃないか、まったくもう、ぜんぜん荷物も整理できていないんだけど、しょうがない。感動は感動した時に伝えておかないと、生ものなので色焦るから……ああもう、佐伯さん、この忙しい時になんで……。
この富士山の写真を撮っている方は、富士山の写真家として有名なのだという。私はよく知らない方だ。写真には詳しくない。だが、この写真家の方が、写真を撮るためにあえて富士山を撮っていないことだけはわかった。この人は世に出るつもりも、写真を他の人に見せるつもりも、あんまりないのだ、だからこれらの写真は佐伯さんという名編集者に発見されるまで隠されていたのだろう。佐伯さんは、写真家の自宅に行き、発表されていない膨大な写真の中からこの写真集の写真を発掘し、構成したと言う。
この写真家の方(大山行男さん)は、富士山を通してとてつもなく大きなものと出会う瞬間が快感で、カメラは遭遇のためのツールでしかなく、大いなる存在と出会うことで満足しているから、その時の出会いを人に見せて有名になりたいなんて、これっぽっちも思っていないのだ。そういう人だからこれが撮れるんだ。
つまり、そういう写真なんです。これは写真というよりも、一人の人間がコスモス……、サムシング・グレート、神、とにかくそういうものと遭遇した瞬間の映像記録で、本来は隠されておくべきものだったのかもしれません。それを、佐伯剛という編集者が発見して世の中に、間違って出してしまった……という、見てはいけないもののような写真集なのでした。
でも、世に出たのだから、見るべき人は見るのでしょう。わかる人にはわかる。この写真を撮ったときに、写真家が体験していた未知との遭遇が。この三次元だけが世界ではないことが、はっきりと伝わってくる霊的な写真なのです。私が言葉で伝えられるのは、それだけです。

新泉社 神さぶる山へ 大山行男




※大山行男さん……名前からして神ってますね。



by flammableskirt | 2019-03-06 16:50 | 日々雑感

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