7月15日講演会「いのちのエール」詳細
2016年 06月 08日
初女さんのことばをお伝えします。
あなたはとってもとうといの
やさしく、そっと、たいせつにね。
「いのちのエール」
講演:田口ランディ(作家)
「佐藤初女さんから娘たちへ」
映画上映「地球交響曲第2番」
2016年7月15日(金)
18時半開場・19時開演 21時終演
定員300名・全席自由 チケット:2,500円
かなっくホール(神奈川区民文化センター)
※京浜東北線・横浜線の東神奈川の駅から1分
都心からも近いです
◎アクセスはこちら
facebookでも情報発信中(初女さんのすてきな写真がアップされています)
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講演会「いのちのエール」
開催にあたって
森のこもれび 山﨑 直
今年の2月に佐藤初女(はつめ)さんが亡くなり、動けなくなってしまった自分がいました。
ようやく「元気になりたい!」という思いが立ち上がって来た時に、追悼ではなく、初女さんのことをわかち合う集いをしたいと思ったのです。
もし追悼としたなら、初女さんのことを知らない人は、足が遠のいてしまうでしょう。
佐藤初女さんのことを、全く知らない人たちにも来て欲しいと思ったのです。
そんな時、田口ランディさんの著書『いのちのエール 初女おかあさんから娘たちへ』を読み「初女さんから教えてもらったことを、次の世代の人たちに伝えるために、心のバトンを手渡すような、そんな気持ちで、書きました。」
という一文が目に飛び込んで来て「これだ!!」と思ったのです。
講演会では、初女さんの出演する「地球交響楽第2番(ガイアシンフォニー)」の映像と田口ランディさんのお話で佐藤初女さんの心を感じて頂けたらと思います。
初女さんは「出あいは未来をひらく」と言っていました。この日の出会いが、どんな未来に繋がっていくか楽しみです。
わくわくしながら、皆さんのお越しをお待ちしています。
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プログラム
1. 佐藤初女さん紹介ビデオ(ガイアシンフォニー2番より)
2. 講演:田口ランディ
「いのちのエール・初女おかあさんから娘たちへ」
3. わかち合い
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お申し込み方法
●あらかじめメールまたは電話にて、お名前・ご住所・電話番号・枚数をお知らせ下さい。
電話:046-834-0386(山﨑)
メール:komorebi@sc4.so-net.ne.jp
●予約の確認連絡から10日以内にゆうちょ銀行へお振り込み下さい。
(10日を超える場合は自動的にキャンセルになりますので、改めて予約確認をお願い致し ます)
●お振り込みをもってご予約が確定致します。
●振込用紙の控えはチケットと交換させて頂きますので、当日必ずご持参下さい。 (チケットの郵送はありません)
●託児はありません。車椅子ご利用の方は、事前にお電話でお知らせ下さい
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お振込み先
ゆうちょ銀行 振替口座:00280-6-81909 名称:森のこもれび
振替口座へ銀行からお振込みの場合 支店名:029店 当座 0081909
主催:森のこもれび http://www014.upp.so-net.ne.jp/m-komorebi/ 協賛:ミュージックハーベスト 後援:神奈川県教育委員会、中央公論新社
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田口ランディ(たぐちらんでぃ)
1959 年生まれ・女性・2000 年に処女作「コ ンセント」を出版。大ベストセラーとなる。デビュー当時から佐藤初女さんと交流、初女さんの生き方に感銘を受け数多くのエッセイを執筆。2015年には交流を綴った「いのちのエール 初女おかあさんから娘たちへ」(中央公論新社)を出版 「初女さんとの約束」であった本の出版はお互いの誕生日である10月3日に。翌年、2月に初女さんは逝去。
(写真は2015年7月 佐藤初女さんと共に)
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イベントに寄せて
『初女さんとの出会い』
田口ランディさんに「すなおさんは、どうしてそんなに初女さんが大好きなの」と聞かれたとき、間髪入れず「初女さんがいなかったら、今の私はいないから」と答えていた自分がいました。
そう、初女さんに出会っていなかったら、あの悲しみと折り合いがつけられずいまだに「なぜ」を繰り返していたかもしれません。
「元気が取り得!」と言っていた息子が、放課後、友達とリレーをした後で「疲れた」と言って校庭に寝転がり、なぜかそのまま心臓が止まってしまったのです。
何がなんだか分からないまま葬儀を終え、2~3日経ったときに息子の空のお弁当だけが返ってきたのです。
最後に息子が食べたのは、私が作ったおむすびでした。
もっと美味しいものを食べさせたかった。この思いは消えない苦しみとなってさらに私を苦しめていきました。
悲しむことにも疲れ果て、ボロボロになっていた時に、新聞の小さな告知で初女さんの講演会を知り飛んで行きました。初女さん出演の『ガイアシンフォニー2番』を観て泣き崩れてしまいした。
そして、講演で初女さんが「おむすびはソウルフードです」と話されたのです。
その一言で、息子の最後の食べ物が「おむすび」で良かったんだと初めて思えました。帰って直ぐに初女さんに手紙を書きました。すると間もなく「佐藤です」というお電話があり、夢のような思いで初女さんのお声を聴いていました。
森のイスキアに呼んで頂き、息子の写真を長い間見ていた初女さんの頬に一筋の涙が伝わっていくのを見た時、私の抱えて来た悲しみや苦しみはすべて受け止められた。生きていこう!と、思えたのですあれから13年。
講演会を6回やらせて頂き、最後の講演会が田口ランディさんとの対談でした。
ランディさんとの出会いも初女さんが与えてくれたのです。
今年の2月に初女さんが亡くなり、心の中に初女さんの存在と不在を感じながら、ランディさんが語る初女さんを聴きたく、講演会の準備をしています。
「初女さんとの出会いなくして、今の自分はいない」
どんなに歳を重ねても、この思いは色あせないと思います。
森のこもれび 山﨑 直
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いのちのエール」講演会を応援しています。
エッセイスト 山田スイッチ
2014年11月24日に、佐藤初女さんと田口ランディさんの
講演「深き森の語らい」を聞きに、青森から逗子文化なぎさホールへ出かけた。
初女さんはこの時、たしか92歳だった。
大好きな初女さんと、ランディさんの対談。
どんなことを語られるのかと、のんきにわくわくしていた私は
講演が始まってすぐ、田口ランディさんが初女さんへと朗読された
詩によって、あまりにも深い深い場所へ意識を連れていかれ、
呆然と涙を流していた。
「自分が
自分が
そう思って生きて来た
自分のことばかり考えて
自分の都合を押しつけて
何かをしてあげようと思い
してあげることに夢中になり
相手の話はよく聞かず
一を聴いて十を知った気になり
何かが上手くいかないと
外側に理由を探し
苦しいのは自分だけだと感じ
持っているものの有り難みをわかろうとせず
ないものばかりの数を数えて
ああしようこうしようと計算し
思い通りにならないと
腹を立てて苦しみ
苦しいことも全部人のせいにして
誰かが自分を幸せにしてくれると思い
叶わぬと嘆いて
手に入らぬものは あれはすっぱい葡萄だといい
手に入れたものは たいしたものではないと満足が出来ず
そういう自分をどうにかできると思い
自分ではないものに憧れて
自分が
自分がと
自分のことばかりしゃべってきた
自分のことばかり考えていると
だんだん苦しくなってどうしようもなくなって
心が破れそうになった
そんな時
初女さんは
そっと教えてくれました
言葉を超えてね
言葉を超えるってどういうことかな
と思った
ずっと分からなかった
言葉はいつもここにある
私を満たしている
私は考えで一杯
でも初女さんの隣にいる時
しんとする
初女さんはとても静か
ああ、なんて静かで深いんだろう
深い森の中の湖のよう
ほんとうは静かになりたい
求めているのは静けさなのに
心はいつも波だっている
この静けさに、触れたい
何も話さなくていい
ただじっと、この沈黙の中にいたい
沈黙の中にある 無音に耳を澄ます
こんなに豊かな静寂が
言葉と言葉の間に満ちている
すると、はるか遠くから
私を呼ぶ声がする
呼ばれた時
やっと私はここにいると気づいた
呼ばれている
空の果てから美しい鐘の音に
なんだ、私はあの音に
ずっと呼ばれていたんだ」
田口ランディ「いのちのエール 初女おかあさんから娘たちへ」
(中央公論新 社)より
詩が朗読されて、一瞬のうちに
会場の空気が変わった。
誰もが、自分の深い場所へと連れていかれ、
自分の心と呼応していた。
朗読を聞き、初女さんが
「まあ有難うございました。何と申し上げてよいのか。胸がいっぱいになりまし た……」とおっしゃって。初女さんとランディさんは、本当に一つ一つ の気持ち を、正確に伝えようと丁寧に、お話をされて。どんな深く抽象的なことにも、明 瞭に答える初女さんは、本当に年齢を感じさせなかった。
たくさん涙を流した講演の後、
楽屋でお休みになっていた初女さんのお姿を見て、お声をかけられなかった。
初女さんは来場者の方のすべての質問にランディさんと答え、講演時間は長かった。
あれほどがんばった初女さんに、これ以上の気遣いをさせたくなくて。
心の中に「行っちゃダメ」という声が響いた。
この変な気持ちを帰り道、細々とランディさんにお伝えすると
「みんな、初女さんを見ているけど、
本当は、初女さんの横に立って、初女さんと同じものを見つめなければいけない のよね」と、おっしゃってくれた。
初女さんの観ている世界。そこに、少しずつ近づいていきたい。
この講演会が、「森のこもれび」を主宰する
山﨑直さんという、普通の主婦の方が企画し、運営したと聞いて
私は驚いた。
大きなホールに人をこれほど呼ぶには、大変な苦労があったはずだ。
そして初女さんは、直さんが一つの講演会を成功させると、
「次はこんなことをしましょう」と、新たなお題を出されたという。
初女さんが最期に出されたご著書『いのちをむすぶ』(集英社)
では、こんなことが語られていた。
動く……
「悩んでいる人も
本当はどうすればいいかわかっています。
私は、本人が気づくのを見守るだけ。
自分で納得して答えが出せた人は
すぐに行動に移ります。
まわりが驚くほどに
あっさりと変わっていきますよ。
過去にとらわれると
後悔だけになってしまいます。
「過去は終わりました。
また新しく進んでいきます」
と考えてください。
お水もじっととどまっていると
くさってしまうでしょ。
心もまたおなじで
動くことによって生かされるのです。」
初女さんからの、メッセージだと思った。
同じところにとどまらず、動いていきなさいと。
「さあ、動いていきなさい」と。
私たちは、初女さんの教えを守って
動いていこうと思う。
ランディさんから語られる初女さんの言葉!
楽しみです。
(弘前「森のイスキア」にて 山崎直さんと山田スイッチさん)
みなさんのご参加をスタッフ一同楽しみにしています(このイベントは営利目的ではありません。収益が出た場合は森のイスキア、森のこもれびの活動に寄付されます)。