ものごとのしくみ 5年後に見えること

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ものごとのしくみ……。奇妙な言葉ですけれど、ひとつの出来事について考えていくと、いろんなきっかけ、環境、人物や、要因が複雑に……いえ、案外とその場面では単純なのですが、絡み合って、歴史が動いていくのがわかってくるんです。

そういうなかで、事件が起り、展開し、また新たな出来事を生みだしていく。その万華鏡のような様相には、ほんとうにすべての人間が関わっているのです。だから、ある一面だけを取り出して、説明しても、そこには必ずズレがあり、真実ではありません。

そのことを理解しつつ、ズレてしまうどうしようもない断絶を諦めつつ、書いた本が「ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ 原子力を受け入れた日本」(ちくまプリマー新書)です。

ここでは、第二次世界大戦でなぜ核兵器が使用されたのか、を、科学史と経済史を追いながら解説しています。当時、どれほど熱烈に世界中の物理学者が「原子核」の存在を追求していたか。ナチスドイツの台頭が、科学者にどんな影響を与えたか。

その後、日本が被爆国でありながら原子力大国になるのは、東西対立の構造があり、それは経済史と深く関わっていること。ナショナリズムとは何か。右翼と左翼という言葉はどうして生まれてきたか……、それが、なぜ福島の原発事故と結びついていくか。なるべく多角的に解説しています。

本書は、福島第一原発事故が起った2011年9月に出版しました。ずっと考えてきたことだったので書く準備は整っていました。歴史的にはヒロシマ・ナガサキと、フクシマの被曝はつながっています。それはほんとうに人類規模のスケールで展開されました。

なおかつ、個々の人間のその時その時の小さな感情が大きな事件の引きがねになっています。人間の感情が歴史を動かしている、どんな場合でもそう感じてしまいます。

わたしたち一人ひとりにできることは、じぶんの感情に責任をもつことなのかも。なぜなら、感情が行動を引っ張っていくからです。行動には責任をもてないのです。行動は常に現在完了形だからです。状況のなかでそれぞれが、関わって、やってしまったことは、どうしようもありません。

5年経ったいまのほうが、客観的に歴史の流れを感じられるはず。
中学生にも理解できる文章で書いています。図書館にもあると思います。
イデオロギーを主張する本ではありません。
3月11日が近くなりました。
この日が、一年に一回、核の歴史を思い出す日になればいいな。



「ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ 原子力を受け入れた日本」ちくまプリマー新書

感想ブログ「マイケルと読書と」

現実に5年経って、見えるもの。なにかを、感じていただけると思います。
薄い本です。
by flammableskirt | 2016-02-27 10:20

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