ノウ、ノウ、ノウ。

週末、若い仲間たちに混じって能登半島の自然栽培塾に行ってきた。塾長の木村秋則さんと朝食をごいっしょして短い対話をした。そのとき寄生蜂が迷わず寄生する虫めがけて飛んでいけるのはなぜか……。自然には無駄がない、合理的だという話題になった。だから自然栽培は自然の理にかなった農法である……と。ただ、なんでも自然に従ってまかせておけばいいというわけではなく、時には自然の合理性を人間の都合のために利用せねばならない時もある……と。そのために必要なのは観察力である……のだけれど、これはまさに医療……健康管理にも言えることで、自然栽培の勉強をしていると、なぜか医学を学んでいるような不思議な錯覚に陥る。浦河べてるの家の向谷地さんや川村先生が「べてるは自然栽培と同じだ」と言っていた意味がよくわかるし、気功や、鍼灸などに携わっている方、舞踊や、演劇などとも通じ、根本的な部分で繋がっているように思えて不思議でしょうがない。そして、それは仏教とも通じている気がして、このぐるぐるな感じをどう表現すべきか……堂々巡りしながら楽しんでいる。原発やら、原爆の取材が多く、そのことばかり考えていたこの数週間だったけれども、ポンっと頭が切り替わって気持ちが晴れた。そして、能と脳と農はなぜみんな「ノウ」なんだろう? なんてことを考え出した。以前に「なぜ能はノウなのか?」と梅原猛先生に質問して呆れられたのだが、なぜ脳はノウなのか……。そもそもこの「ノウ」とはどういう意味をもつ音なのだろう……。なんてことを朝から考えておるのだった。考えてわかるものではないのだが(笑)
by flammableskirt | 2012-07-09 11:07

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