セロリスープ
2012年 01月 21日
若い頃って、クリスマスやお正月に一人でいるのが辛かった。自分だけが取り残されたみたいで、誰かと一緒にいたくって、誰かとつながっていたくて、なにかをしていないではいられなかった。でも、そういうことにだんだん興味がなくなって、お掃除をしてきれいになった空気の澄んだお部屋で、あったかいスープを手をかけて作ったりして、それをゆっくり時間をかけて飲みながら、遠くの山に雪が降っている、そのグレイの雲を眺めているのが、心から静かに幸せでみちたりて感じるとき、ああ、生きていて良かったなあと思う。
あんなにせつなくて、人恋しくて、寂しかったわたしが、こんなふうに一人を楽しめるようになるなんて、思いもしなかったけれど、人間は変わるし、なにを幸せと思うかということも、どんどん変化していく。その変化を拒まない自分でいられたことが奇蹟だと思う。かつて、したかったことと、いましたいことは違うし、そして、これからも違うのだ。でも、いま、この瞬間にじぶんがしたいことがわかるということを、いまは幸せだなあと感じる。
静か……。とても静かな、一日でした。 セロリスープもおいしくできた。