内発する言葉、魂の声。12月14日下北沢にて

アニシモフさんは、私がたいへん尊敬するロシア人の演出家です。今年の11月11日、ドストエフスキーの誕生日を記念して公演された「白痴」の舞台はすばらしかった! わたしはこの演劇からたいへん大きな予感……、自分が生きていくうえで必要なことに気がつくためのヒントを得ました。

アニシモフはロシアの偉大な演出家スタニフラフスキーの思想を受け継いだ人です。若い方には馴染みがないかもしれないけれど、六〇年代から七○年代にかけて「スタニフラフスキーシステム」というのは日本の演劇を志す人たちの間で、ブームになったことがありました。私は年代的にはもう一世代下なので、この演技者養成システムについては本の知識しかありません。でも、不思議なメソッドだと思いました。

それは「役者の内発性」を引き出すことを目的としており、まるで……心理療法のサイコドラマのメソッドのようだと思ったのです。その後、いまはなき竹内敏晴先生の演劇ワークショップに参加したとき、再びスタニフラフスキーシステムというメソッドについてお聞きし、さらに興味をもちました。若き日の竹内先生もたいへん影響を受けたと語っていたからです。

演じるのではなく……、いま、ここに、自分のこころに湧き上がってくる感情を表現すること……。
それは、それまでの演劇の常識を覆してしまいました。
そして、人間の生きかたそのものを問い、行動そのものを見つめ直すシステムだったと思います。
今回、アニシモフと「内発的ことば」「内発的な動き」というキーワードで、人間の心、さらには魂の問題、つまりはアートとはなにか、という問題と語りあう機会を得て、とてもうれしく思っています。

なんでも、大きな会場なのに、ぜんぜん人が集まっていないとか(笑)
私は、こういう問題は興味のある人、それを必要としている人だけが深く聴いてくれればいいんじゃないかと思うのですが……。ご縁があったらぜひどうぞ……。

田口ランディ




公開講座 “こころの上手な使い方

目には見えないけれど、誰もがもつ『こころ』
苦しい時、不安な時に、もし『こころ』を上手に使う方法を知っていたら、今よりも楽により良く生きられるのではないでしょうか?


人生をクリエイティブに、自分の望むように生きたいと願う人にとって有益なスタニスラフスキー・システムの話をロシア功労芸術家・演出家のレオニード・アニシモフ氏から伺います。

ゲストには、作家の田口ランディさんをお迎えし、『こころ』を上手に使うためのヒントや貴重なお話を聞かせて頂きます。



開催日
2011年 12月14日 (水)
時間
19:00~21:00(開場18:00)


会場
北沢タウンホール(下北沢駅 徒歩5分)
世田谷区北沢2-8-18
地図はこちら → http://kitazawatownhall.jp/map.html

入場料
一般¥3,000
学生¥2,000 (学生証をご提示頂きます)

お申込→  http://tnrt.cart.fc2.com/
ゲストパネラー 田口ランディさん (作家)
予約・お問合せ
NPO法人 東京ノーヴイ・レパートリーシアター
Tel/Fax 03-5453-4945(平日10:00~17:00)
info@tokyo-novyi.com
by flammableskirt | 2011-12-13 16:47

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