清里へ

木崎湖で詩人の吉増剛造さんと再会する。
吉増さんは、とても佇まいの美しい方で、しかも全身詩人というか……、ほんとうにすばらしく言葉が自由で、いつも意味から飛翔しようとジャンプしているような方で、その存在のしかたにとても衝撃を受ける。あのように自分も生きていきたいと心から思える。そういう人に出会うことが生きていることの素晴らしさに違いない。
今年も吉増さんといっしょの時間を過ごせたことが、私にとってはご褒美のようでうれしかった。
短い時間のなかでたくさんのことを、その「存在」を通して教えてくださった。
私はこっそり、吉増さんのことを「精霊」と呼んでいる。

明日からウォンさんと清里に向うのだけれど、とにかく蒸し暑くて体調が辛い。
夏に移動しすぎた疲れも出ているのだろう。昨日と今日は、珍しく身体がしんどくて使い物にならない……という感じだった。それで、ほとんど執筆には向わず雑用だけをこなした。
しかし、雑用も始めると際限がなくて、けっきょく10時間以上パソコンの前に座ることに……。それでも半分も終らない。私の処理能力が落ちてもいるんだろうな。

清里から戻ったら、少し家にひきこもって、秋からの体調管理や、掃除や、夏物と秋物の入れ替えとか、スケジュールの整理とか、したいなあと思う。そういう、身近なものをひとつひとつていねいに片づけていくことが、身体も元気になるてっとり早い道なのだ。一番、めんどうで遠回りに見えることが、実は一番てっとり早い。そういうことはままある。

この時空間のなかで滞っていることの微調整をちゃんとすれば、身体は自ずから回復していく。そういうことは体験的にしかわからないけれど、そうなんだよな。だからといってマニュアル化してしまうと、なにかが壊れる。ほつれるというか、失われるというか……。物事はすべてを規則や、法則や、マニュアルにしてしまった段階で、魂が失われる。いつもどこか違う、どこか少し破綻している、そういうことがほんとに、たいせつだなあと思える。

でも、それをたいせつだからといって、そのように意図的に仕向けると、どうもうまくいかない。
by flammableskirt | 2011-09-01 17:32

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