身体にもどろう
2011年 03月 18日
なぜテレビを観ただけで、具体が悪くなるのか。テレビと心身の関係を少し考えてみました。
■人体と脳の関係と洗脳
私はオウム真理教の事件の取材のために、洗脳のことをたくさん調べました。オウム信者の洗脳を解いたことでも有名な、苫米地英人さんにも取材をしました。
洗脳と言うと、おお事のようですが、実は人が洗脳状態になるのはほんとうに簡単です。洗脳はいたるところにあります。
被災現場を繰り返しテレビで見ていて具合が悪くなるのも洗脳です。
人間の脳内では、バーチャルな映像も現実も同じ方法で処理されます。
だから強い臨場感をともなう刺激によって、汗が出たり、動悸がしたり、具合が悪くなったりします。
テレビで評論家や科学者が原発の危険を話す。その話しと映像がセットになって臨場感が強くなれば、視聴している側の脳は現実と同じように認識し、身体はそれに反応するので、動悸や眩暈が起こったりします。ガンになるという臨場感が強ければ、身体もそのように反応してしまう可能性もあるのです。
脳が臨場感を感じていることが、その人の身体にとっては現実です。
これは脳を高度に発達させてしまった人間の弱点といえます。
■報道で病気になる
ですから、報道にあまりにのめりこむと本当に病気になる可能性もあるのです。ただ、これは報道のせいではありません。報道側はそのことに無自覚です。ほんとうは自覚してほしいです。
カリスマ性をもった人は、暗示によって相手の脳内に臨場感を作り出して、その身体性の変化によって相手をコントロールしてしまいます。非常時に強いカリスマ性を出す人には人心は動きます。ですから、非常時における被曝報道はほんとうに難しいのです。
■被曝は、複雑
被曝によって起こる症状はさまざまです。たとえばむかむかする……。被曝してムカムカすると思っているとムカムカしてきます。
やばい……と病院に行きます。病院は薬を処方します。薬を飲みます。治らない。当然です。より強い洗脳を与えるカリスマ性をもった医師に出会わない限り治りません。また薬を飲みます。繰り返しているうちに不安が増して薬依存の状態になり、ほんとうの病気になる……。
あくまで仮定ですが、このようなことが起きる可能性はあります。
テレビを見続けていて、気分が塞いだり、なんとなくウツっぽくなってやる気が出なくなったり、涙が止まらなくなったりした場合には、テレビによって洗脳されていると考えてもいいかもしれません。
番組を見続けていることによって、脳がその臨場感を現実として身体に信号を送ってしまったのでしょう。でも、それは現実じゃない。テレビを消してしまえば消えます。
刺激的な映像はなぜか依存のような状態を引き起こし見続けてしまう。私にもそういう経験があります。
どうしたら……と思うのですが、私の場合はやはり、ものすごく現実的な下世話な話しを友達して、冗談を言って、バカ笑いする……というのが一番リセットできるかな。人との直接的なつながりは、人間を現実に引き戻す強い作用をもっていると思います。
それから、強制的に別のバーチャルに逃げ込むという手もあるかもしれません。テレビを切って、面白いDVDを借りてきて見てしまう。
笑うという行為はすごく人間の身体によい影響を与えます。笑っただけで免疫力がとても上がることは科学的に証明されている。笑えない状況をテレビがどんなに放映しても、笑えばいい。
笑うということは人間しかできないらしいです。なぜでしょうね。笑いというのは、たぶん、あまりに脳を発達させてしまった人間のリセット機能なのかもしれないですね。
みなさんは、どういうリセット方法を発見するんだろう。なんにせよ原因がわかれば、あとは試行錯誤して自分の身体に戻ればいいんです。身体はほんとうに正直で、そして素直で、そしていつも「私の味方」です。