重度の障害をもつ方との意志の疎通のために。

知人の山元加津子さんからのメールを、許可をもらって転載します。
山元さんは養護学校の先生で、障害をもった子どもたちを通して感じた命の不思議を、
とてもすてきな童話や随筆に書きつづっています。
今回のメールの内容を簡単にご説明します。
重度の身体障害をもつ山元さんのお友達が、意思伝達の最後の手段として使用しているレッツチャットという器械が、製造中止になるかもしれないということです。この器械はほとんど身体を動かすことのできない重い障害をもった人にとって、周りとのコミュニケーションをとるための大切な器械でした。山元さんは、この器械を必要としているひとはたくさんいるはずで、もっとこの器械のことが知られ、利用者も増えてほしい。そして製造を続けてほしいと考えていらっしゃいます。
私はレッツチャットのことを知りませんでした。今回初めて知り、身体機能をなんらかの原因で失ったしまった人にとってとても大切な道具だと感じました。
山元さんは、レッツチャットを製造している会社のみなさんに対しては感謝の気持ちしかない。だからこの器械を作り続けるために応援したいという思いだそうです。

もし興味をもってくださった方は、山元さんからのメールとホームページを読んでみてください。
意識が戻らないかもしれないと言われたお友達が、周りと意思疎通ができるようになる様子は、同じように意志の疎通が不可能と言われるような重い障害をもったお友達、ご家族と共に生きている方にはとても希望ではないかと思います。

田口ランディ

-------------------- 以下転載

Subject: 10240 緊急署名を集めています
 第377号 宮ぷー こころの架橋ぷろじぇくと  
                    2010年8月20日現在 参加者人数3404人
 「8/20 昨日の宮ぷー」      
このメルマガを初めて読まれる方へ 
メルマガの生い立ちをこちらのページに書いていますので、ご参照ください。

今日は20日、宮ぷーが脳幹出血で倒れて1年半が経ちました。毎月20日が来るた びに宮ぷーが倒れた日のことを思い出します。でも、その日をうれしい日にしようと、思い立ちました。いつもの月の20日でしたら、「メルマガを読んでくださって いるみなさん、宮ぷーの日記をお一人でもいいので、転送をしていただけたらうれし
いです。お願いいたします」とだけ書くところです。けれど、今日はどうしてもどう しても多くの方にお願いがあるのです。

宮ぷーが倒れた最初の頃は、月日が経つのがとてもとても怖かったのです。早く意識 が戻って欲しいとそればかりを願っていて、観なければいいのに、ネットや本で1ヶ 月戻らなければ、何割もう戻らないとか3ヶ月戻らないともう戻らないのじゃないか とか、そんなことを気にしてしまっていたのです。その頃、私は宮ぷーの妹さんに何 度も言ったことがありました。「統計や確率がどうであろうと、お兄ちゃんは、必ず 意識を取り戻すよ。そして、そうなったら、なんとしてでも気持ちを伝え合えるよう にする。だって私、そのお仕事をずっとしてきたんだもの。恭子ちゃん心配いらない よ。大丈夫。また必ずお兄ちゃんとお話しができるようになるからね」恭子ちゃんに そんなふうに言いながら、私は本当はまるで暗闇の中を大きな海に船出した小舟のよ うに不安だったかもしれません。とにかく、思いつくことをしていくことしかできな かったのです。けれども、もっと不安だったのは宮ぷーだったと思います。思いがあっても、体のどこも動かず閉じ込められた状態で思いを伝えられない。それはどん なに孤独でつらかったことでしょう。けれども、宮ぷーが思いを伝えられるようにな
るために大きな助けになったのが、様々な意思伝達装置の存在でした。

体のどこか動く場所がないか、あれば、いろいろなスイッチを使うことができる。も しそれが難しければ、マクトスという脳波スイッチがある。そして、スイッチと意思 伝達装置のレッツチャット(宮ぷーが今使っている装置です)や伝の心とつなげれば きっと思いを伝えられるとすがるように思っていました。そして、宮ぷーの首が8月 の終わりに動き出したときに、頭の横にスイッチを置いて、レッツチャットを使うこ とができるようになったのです。だから、宮ぷーと私にとって、レッツチャットは恩 人だと思います。今も、さまざまな思いを伝えてくれるレッツチャットは、宮ぷーが 誰の手も借りずにスイッチを入れて、思いを伝えられる。「ありがとう」「ごめんね」
「気をつけて」「だいじょうぶ?」宮ぷーがレッツチャットで伝えてくれる言葉はい つも愛にあふれています。テレビもレッツチャットとレッツリモコンとつなげて、チャンネルを変えたりもできるし、ナースセンターへ連絡することもできるのです。 レッツチャットは宮ぷーの命綱とも言えると思います。

ところが、そのレッツチャットが実は大変なことになっているということがわかりま した。宮ぷーと同じように息子さんがレッツチャットを使っておられる池原さんとい うお母さんから署名のお願いが回ってきました。それはレッツチャット存続をパナソ ニックの社長さんにお願いをする署名を集めてほしいというメールでした。そして、 販売店などに伺ったところ、もう在庫は限られているということもわかりました。そ の在庫が終わったら、今のレッツチャットはもう無いということなのです。いま、この時点でもレッツチャットが必要な方はとてもたくさんおられると思います。意思伝達装置というものがあるということすら知られていないために、需要が少 ないということも大きな原因だと思います。だから、それを広めたいというのが、私や宮ぷーの願いです。けれど、もし、そのことが広まっても、レッツチャットは既になくなってしまっているかもしれません。

私は特別な会社の機械だけを応援したいわけではないのです。マクトスも、トーキン グエイドも伝の心も他の意思伝達装置もみんな大切。けれど、今、存続の署名が必要なのがレッツチャットだと言うこと。そして、宮ぷーがお世話になって、命の絆であるのがレッツチャットであるということ。もしレッツチャットが壊れてしまったら、 宮ぷー自身も困ります。だって代わりがなくなるのです。そして今、レッツチャットで命をつないでいる方が一杯おられるのです。その方々がとてもとても困ります。
だって、レッツチャットは命なのです。それから、新しく必要な方もたくさん居られるはずです。だから、レッツチャットは無くなっては絶対に絶対に困るのです。一定数が集まり次第、パナソニックさんにお渡しすると言うことでした。私は病室でおろおろしながら、ベッドの周りを何度も回っています。どうしようどうしよう・・そし
てやっぱりみなさんにお願いするしかないと思いました。

どうぞみなさん、署名を集めていただけないでしょうか? 署名の用紙をアップしました。そこからダウンロードして、印刷していただき、署名を集めていただけますでしょうか? 
詳細はホームページいちじくりんに掲載されています。
どうぞ宜しくお願いいたします。
時間が短くて申し訳ありませんが署名は9月2日に到着するようにお願いいたします。

それから、私、思うのです。署名は大切だけど、署名にお手紙があったらいいかなあって思いました。私はレッツチャットがあったおかげで、今の宮ぷーがあるし、すごくレッツチャットは大切だし、そんなレッツチャットを支えてくださってきた、ファンコムさんやパナソニックさんはすごいって思うのです。本当にすごくすごく感謝をしています。病気や障害はとても大切なんだということが、今は科学的にわかってきていて、病気や障害のために苦しまれた方がおられるからこそ、すべての人を含む社会が明日へ向かって歩いていけるのだということ。だから、障害を持った人や病気の方を支えている大切な機械を作り続けてくださったパナソニックさんに感謝の思いを伝えたいです。そして、絶対にレッツチャットをなくさないでくださいって書きたいと思います。字が下手なのでワープロになるけど、書きます。もし、社長さんへのお手紙を書いて下さる方が居られたら、署名と一緒に私宛に送って下さい。とてもとてもうれしくありがたいです。

そしてもうひとつお願いです。ぜひ、このことをブログやミクシィやツイッターなどでも、ご紹介いただけたらと思います。お知らせ下さる際には、上に書いた詳細内容と一緒に送って頂くか、いちじくりん(http://itijikurin.blog65.fc2.com/)を見て下さるようにお伝え下さい。レッツチャットっていったい何だろうという方もおられると思うので、宮ぷーのちらしのこともお知らせいただけたらうれしいです。こんなふうに使っているって分かっていただけるように思うのです。

今日、偶然、病室に宮ぷーにレッツチャットを持ってきてくださった業者さんが来てくださいました。私はすぐにこの話をしました。業者さんは「大変だ」って言ってくださいました。「これは大変です。多くの人がそんなことになったら困ります」とおっしゃいました。「この事実、みんな知らないから、リハビリセンターの方も、病院のリハビリの先生たちも困られると思います。僕もやりますから」と言ってくださ いました。まだおろおろしています。どうぞ皆さん宜しくお願いします。宮ぷーは今日も「おかえり、まっていたよ、あいたかったよ」って書いてくれたよ。とてもとてもうれしかった。宮ぷーはレッツチャットがあったからこそ、生きる意欲が湧いて、 こんなに回復したのだと思います。全国に何人もそんな方が居られます。どうぞよろしくお願いいたします。

追伸

「レッツチャット存続の署名のこと、私、前のお願いで、少し言葉が足りなかったなあと思うことがあります。それは、この署名は、レッツチャットのような素晴らしい装置を作り、支えてくださってきた、パナソニックさんへの感謝の署名だし、それから、これからもお願いします。ずっと応援しています。という応援の署名だというこ
と、もうひとつは、署名を通して、パナソニックさんのレッツチャットをこんなに多くの方に知っていただけたよという報告だとも思うのです。私はこれからも、多くの方にレッツチャットやそれだけでなく、多くの意思伝達装置や伝達の方法を、世界中の人に知っていただけるように活動していきます。だからどうぞレッツチャットを作
り続けてください。お願いしますということもしっかりと伝えたいです。もし、もし、できるなら、社長さんありがとう。頑張って!応援してるよ!のお手紙や、色とりどりの可愛い絵のお手紙などを添えてくださったら、すごくうれしいです。そうしたら、きっと私たちの思いが伝わります。そして、ぜひ、そのことを署名を広めていただくときや署名をしていただく際にお伝え願えたらと思います。本当に叫びたいくらいに思います。パナソニックの社長さんありがとうございます。それほど売れる家電ではないレッツチャットを支え続けてくださっていることすごいことです。レッツチャットのおかげで、宮ぷーの今があります。本当に感謝しています、命の恩人なのです。レッツチャットをこれから広めることが恩返しのひとつになるのじゃないかとも思っていますって、叫びたいくらい思うのです。よろしくお願いします。

山元加津子
by flammableskirt | 2010-08-23 06:14

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