広島に行って来ます

湯河原発達障害支援フォーラムの翌週には、諏訪発達障害支援フォーラムに行き、シーズの武山さんのところで講演をしてきた。お互いの「発達障害の会」に相互乗り入れしたということだ。

まったく違う地域の人たちと交流することで、共に大変に参考になった。特にシーズからは土田さんや大木さんなどの男性陣も参加してくれたため、湯河原フォーラムはとても盛り上がった。湯河原の場合はまだ男性の参加者が少ない。これからは当事者のお父さんをどう巻き込んでいくか。イベントを考えようと思う。

諏訪で、縄文土器の形象を研究している田中基さんに諏訪大社を案内してもらう。梅雨の晴れ間を縫うようにして、あちこちハードに歩き回ったため疲れたが、たいへん勉強になった。田中さんの説明がいいんだ。諏訪のダイナミックな古代アニミズムが実感として伝わってきた。興奮して家に戻ったら、それまでのイベントの疲れもあって、どかっとすごい疲労が押し寄せてきて、疲労のために眠れなくなった。身体が怠くて痛くてのたうちまわる。
こういう疲労は久しぶりで、家族に身体をなでてもらってようやく寝つく。なんだか身体の中で別の生き物が暴れているみたいで、ベッドの上でもどたんばたんと寝返りを打ち続ける。

これはやばいと思って、翌朝は気持ちを鎮めるために、気功をする。ほんとうなら毎日続けることなのに、こうして具合が悪くなったときだけ慌ててする。情けないなあと思いつつ、気功、続いてヨガで身体のストレッチをすると、次第に落ち着いてきて、仕事場で珍しく午睡してしまった。その日は家に戻るとまた寝て、今度は懇々と寝続ける。翌日は朝風呂に入ってまた気功……。ようやく疲れが抜けてきたが、年を感じる。ロクなもんじゃねえ。まったく。

気がおさまったら、ようやく雑事が手につくようになってきて、慌てて週末の出張の準備をする。今日からまた旅から旅だ。今日は明治大学で打ち合わせがあり、明大のそばのホテルに泊まる。明日は朝から姫路に向かい、姫路で「生老病死を超えて」という渋いタイトルの講演を終えてから、広島に入る。

広島在住の友人でミュージシャン、春駒さんと会うためだ。春駒さんとはこの夏、いっしょに長崎の「水辺の森音楽祭」に参加することになった。……というか私が一方的に春駒さんを誘ったのである。春駒さんはおじいさんが被爆している。ものすごいパワーの持ち主で地域の誰よりも早くがれきから家を立ち上げたそうだ。そのおじいさんを謳い上げた強烈な賛歌「その男ヨシオ」は、一度聞いたら忘れられない最高に楽しい歌だ。ぜったいに、この歌を長崎の「水辺の森音楽祭」で歌ってほしい!と思い、電話して「一緒に参加しようよ〜」と呼びかけたのだが、この私の突然の電話に驚くでもなく「いいっすよ〜」と二つ返事で乗ってくれた春駒さんは、やっぱりすぺしゃるいい男だと思う。

そんなわけで、音楽祭に向けてたぶん最初で最後の一度きりの打ち合わせを広島でするために広島に行くのである。私の詩にも曲をつけてもらって、私も歌うぞーとはりきっているのだけれど、どうですか、みなさんも一緒に参加しませんか? 水辺の森音楽祭。
ただひたすら、歌って、歌って、歌うことで慰霊するという、シンプルな音楽祭です。
http://www.nagasaki89.com/

また、広島を修学旅行する子どもたちのために新しい「修学旅行用広島ガイド」みたいなものを書こうと思っている。広島っていうとただ暗い顔をして定番コースを歩くという感じだけれど、点ではなく、時空間を含めた広島の有り様を知ってほしいなと思っている。原爆で固定された蝶の標本のような広島ではなく、過去から現在へと続く大きな流れの中で重層的に広島を観てほしい。そこから浮かび上がってくる「なにか」を感じてほしい。そう思っている。原爆ってなんなのか、戦争ってなんなのか、答えを簡単に出さないでほしいんだ。

まあ、そんなわけでそのための広島取材。twitterで広島のタウン誌を作っている方と知り合ったので、ぜひ現代の広島を感じてみたいし、それから、広島に住んでいる私のドイツ語版の翻訳者の楠カトリンさんともお会いして、ドイツ人の目から見た広島についても聞いてみたい。

今回も新しい人と出会う旅になりそうだ。広島でなにが起こるかな。とりあえず、激辛つけ麺とおこのみ焼きとオレンジジュースは飲みたい。
by flammableskirt | 2010-06-25 12:50

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