人と自分をわきまえること

◎「生なおすのにもってこいの日」バジリコ出版
  のなかに「ビョーキのご家族をもつ皆さまへ」というエッセイが収録されている。
 これは、そのタイトルそのもので、ビョーキの家族がいて困っているという人に向けて、ストレートに書いたエッセイである。そういう悩みをもっている人はこの部分だけでも立ち読みしてください。

 なにが書いてあるかと言えば、家族が精神を患っていても、それは自分の病気ではないのだから、自分のことのように錯覚して悩み苦しむと、逆にビョーキの家族が気の毒である、ということだ。
 人のビョーキは人のもの。自分と家族のビョーキを混同して自分までビョーキになったように苦しむことがよくあるが、それは優しさではない。自分は自分の人生を歩けばいいし、家族のビョーキはあなたのビョーキではない。しかし、それをわきまえられない人が多いのは、家族と自分が分離しがたいからだろう。親子であっても兄弟であっても、他人のビョーキを肩代わりすることは絶対に不可能。それなのに家族のビョーキに悩んだり苦しんだり、恥ずかしがったリ、深刻になったりしすぎると、逆にビョーキの人が恐縮して、具合が悪くなったりするものだ。
by flammableskirt | 2009-10-27 13:25

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