石見から、大正大学、アースガーデン、そして新刊。
2009年 03月 02日
石見銀山の中村さん、ほんとうにお世話になりました。楽しかったです。
この取材の様子は3月にNHKの「日本巡礼」で放送される予定です。
そうこうしているうちに、2月26日に無事に、新刊「蝿男」が発売になりました。
Amazonでも取り扱っています。
「蝿男」は小説集です。表題作は女体に執着するあまりに蝿化してしまった中年男の不運を描いています。アウシュビッツに観光気分で行ってゲロを吐く女性編集者や、携帯電話と同化してしまう少女、幻のすっぽん料理を追い求める記者、合い鍵で他人の部屋を覗く青年、ゴールデン街を徘徊するフリーター、というような、いかにもそのへんにいそうな冴えない人間を主人公にしています。自分が優れていて幸せだと思っている人にとっては、まったく興味をもたないくだらない小説だと思うので、あまりおすすめしません。
わきの下の匂いとか、汚れた靴下の匂いをついくんくんしてしまうようなタイプの人なら、もしかしたら好きかもしれません。なんにしても、私の書く小説は、平安で充実した人生を送っている人には必要のないものですので、そういう人は読むとうんざりするかもしれません。また、愛や平和やエコロジーを求めている人にも、かなり向かないと思います。すみません、なにしろ「腐純愛小説」ですから、どうかくれぐれも注意してお買い求めください。読後感は悪くないと思います。悪意はありません。