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by flammableskirt
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梅雨があがって、ずっと気持ちのよい日々が続いています。
七月から生活スタイルを変えてみたのだけれど、これが大正解で、とても体調がいい。
梅雨が明けたせいもあるけど、体が軽く、毎日目覚めが爽快で、いまの生活がとても自分のやりたいことと合っているのだと実感している。

生活を変えるというのは、難しいことだと思っていた。そう思い込んでいたふしがある。

この人生のなかで何度も生活は変わった。日々の暮し方も変わった。
変わったこと、つまり変わって継続していることは、変えることができたということだ。
人間には変えられることと、変えられないことがある。
どちらかといえば、変えられない方に挫折感が残る。
実際は「うまくいったこと」は忘れがちだ。うまくいったこと、それが本当に変わるべきことだったんだろうと思う。
努力を要することは、まだその時期じゃなかったんだと、早めに諦めることにしている。

ほんのちょっとでも辛いと思ったことは、継続するのが困難だった。
がんばっても、一年、二年が過ぎる頃には疲弊していた。そして別の方向へと流れる。
無理をして努力することの価値を子どもの頃から植えつけられていたから、辛いことの方が価値があると思いがちだった。振り返ってみて、努力とは苦しみではないことに気がつく。
継続できたことは、すべて楽しいことだった。楽しいから努力できたのであり、辛く苦しいことは続かない。楽しいこと、好きなことに惜しみなく努力できるようになったときが、満ち足りた状態だった。
なにが苦しくて、なにが楽しいのか本人にしかわからない。
楽しいと思おうとして、無理に自分をふるい立たせることもあるが、なにかしっくりこない。
自分のなかから出てくる「ちから」みたいなものに、敏感であることができなかった。
それを見下しがちなのだ。人は自分に冷たくしがちだ。自分に対してわざと高い目標を設定して「ほらやっぱりダメ」と諦める。

目先のとるにたらないことを、一個ずつ「できた、できた」と喜ぶ、小さな女の子を、目標の高いママが踏み潰す。そういうことは、単に自分の心のなかで起きていることだけど、心は社会とつながっていて、それが人生模様を作っていってしまう。そうして、自分がダメだと思い込む。

今日のような気持ちのよい日は、小さな女の子が元気だ。
「わーーー天気がよくて、よかった」
と、笑っている。そして「じゃあ、洗濯でもするか」と言う。
台ふきんが、風でひらひらしているような、そんな他愛もない風景が、なにかを変えてくれる。
そして、机の上を掃除して、パソコンを立ち上げる。洗ったふきん程度の気持ちになって。
それでいいよ。すべてをいきなり変えなくても、これでいい。
by flammableskirt | 2010-07-27 10:58

自分に対する観察力

梅雨が終って驚くほど元気になった。気圧が上がったせいだと思う。
ふだんでも、気圧が下がるとだるかったり頭が重かったりするのだが、今年の梅雨の始めはとくにがくんと体にこたえた。それでも、梅雨は梅雨で楽しかった。蛍や、梅雨の晴れ間の外出や、灰色の空のしたたるような緑や、霧がかかったような山やま。でも、梅雨が明けたときに初めて「ああ、けっこう体がしんどかったんだ」ということに気づく。細胞が除湿されたような感じ……と言えばいいかな。

ここのところ爽やかな風が吹いているので暑さも気にならず、洗濯物もぐんぐん渇くためほんとうに爽快だ。なにか夏がもっている生命力のようなものに感化されたみたいな感じ。それから、たぶん昨年の後半から続いていた私の「心身の潮の流れ」のようなものが、ちょうどいま活気の方に少しずつ動いているのかもしれない。明らかに昨年の後半から今年の前半にかけてとても「潮の流れがきついなかを泳いでいる」感じがした。

長く生きていると「こういうことはままある」と思えるので、思い切って休みをとって人間ドックだとかいままで気になっていたことの片づけとか、そういうことに費やして半年を過ごしてしまった。そうこうしているうちに夏になり、また潮目が変わり、だんだん潮の流れが私の体に沿ってきて泳ぐのが楽になってきた。しんどいときはしんどいなりの過ごし方があり、そうしているといつのまにか時間は過ぎる。

しだいにやりたいことに集中できるようになってきたので、仕事時間を思い切って朝型に変えてみた。七月から朝5時半から仕事をはじめて手のかかる執筆は午前9時までの間にやることにした。夏の朝は涼しく清々しく、ほんとうに集中力が上がるため、自分が思っていた以上にこのやり方が合っていて、とてもうれしくなった。生活を変えるということも、気力や余力がなければ実行できない。これを冬にやっていても続かなかったろう。なにごとにもタイミングというものがあり、自分のための変化は、調子が上向きのときにするほうがいい。そういうことも、五十歳にもなってやっとわかる。

若いころは調子の悪い時に変化をあせって、かえって物事が悪化する……ということを繰り返していた。あれはあれで、海を泳ぐ練習だったのかもしれないが、何度も溺れかけた(笑)
きれいな島影が見えても、風景など見ずにしゃにむに泳いだり、イルカの群れと出会ってすっかり遊んでしまったりといろいろあるが、常に変わり続け、予測すらできないのだから、人生というのはほんとうに興味深い。生きているということが神秘だと思う。そう思うようになると、なにもかもが不思議に思えて、もうとりたててオカルトや超常現象を追いかけなくても、こうしていることのすべてが妙である。
自分の体を通したことは観察すると同時に感じることができる。これが面白いんだな。観察と感じることが同時にできるのは、自分の身体や感情その他、自分の知覚だけなのだよ。それがいかに精妙で不思議なものか、気がつかなかったのだから、それも不思議だ。
by flammableskirt | 2010-07-19 18:28

千倉のポルト・メゾン

このあいだ、お友達と二人で千倉に行って来ました。
なぜ、千倉? それはお友達が「千倉にとってもすてきなプチホテルがあるんだ」と誘ってくれたから。
しかも千倉は最近は「気がいい場所」として話題なんだと彼女は言う。
ちなみに彼女はという易学のなかの「気学」という占いを勉強しており、ときどき自分にとって良い方位に「方位取り」というのに出かけるそうだ。良い方位に行くとめっちゃいい気が漲って元気になるんだと言う。
私には難しくてさっぱりわからないが、「千倉はランディさんにとっても気がいい方角だよ」と言われ、それなら行ってみるかと二人で出かけた。旅行に行くのに目的はなんでもよい。今回は良い気をもらいにすてきなホテルへ。
千倉のポルトメゾンは「おっ!」と思う洒落たホテルでした。
ヨーロッパの雰囲気を感じるのは、このホテルの内装についてジャック・マイヨールがいろいろアイデアを出していたからのようです。ジャックがとても愛したホテル。自分の家のようにいつもくつろいでいたんだって。
部屋数は少なく、トイレは共同です。
でも、お部屋の内装、特にベッドメイキングがすてき。
外国人の長期滞在者が多いのもわかる!という感じでした。
千倉はたしかに気持ちの良い場所で、旅先で眠れない私が熟睡できた。これはすごい。
ちょうどお祭りも見れてラッキーだった。
ポルトメゾン、週末にぶらっと泊まりに行ってみるにはいいホテルです。
http://www.portomaison.com/
私たちは、他の一人旅の女性とも仲よくなって夕ご飯をいっしょに食べたりしました。
オーナーのご家族も気さくでとてもすてきな人たちだった。
それから、帰りに潮風王国で友人に買ってもらった「いかのしおから」がほんとうにおいしくてびっくり。
今度行くときは、スキンでいいから潜りたいなあ。久しぶりに海に入ってみたくなった。
千倉の海は開放的な明るい海だった〜。
by flammableskirt | 2010-07-16 14:47

私のなかの水とつながる

夏になるといつもずっとBGMとして使っているのが、
谷崎テトラさんが送ってくれたDVD『屋久島 わたしのなかの水とつながる』
これが本当に気持ちよくて……というのも、屋久島の森の音を録音したDVDはいくつかあるのだが、
どれも私が知っている屋久島となんか違うなあ……と思っていたのだ。
谷崎さんのは、すごくぴたっときた。あ、これこれって感じ。
それで、たくさん購入していろんな人にお中元であげたりしていた。
夏、蒸し暑くなってきてこのDVDを聴くと、部屋の温度が2度くらい下がる気がする。
今日も一日、窓を開け放って、屋久島の水音を聴きながら仕事をした。
心なしか植物たちもうれしそうに見える。
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by flammableskirt | 2010-07-16 14:34

夢幻シャーマン

お友達の、宮本神酒男さんが写真展を開催します。
宮本さんは、私が知るなかでは最もたくさんの世界中のシャーマンを取材した方です。
ご本人は一見、ごくふつうのおとなしい男性なのですが、そのシャーマン遍歴たるやもうすごいんです。
しかも訪ねているのがめったにというか、ほとんど人が入っていけないような秘境ばかり。
宮本さんはシャーマンの研究家ですが、私が思うに彼は研究のためというより、
ただただ、シャーマンに会いたい、シャーマンが好き、
その一心で世界中を旅しているのではないかな。
ほんとうに、レアな写真満載。びっくりするような辺境のシャーマンたちに会える、
めったにないチャンスなので、シャーマン好きの方はお見逃しなく。
7月27日からです。

夢幻シャーマン 宮本神酒男写真展
〜偉大なる魂と魂の風景を求めて〜

私はこの20年間のかなりをヒマラヤやチベット、インド、中国西南少数民族地帯などで過ごしてきた。
数百の村を訪ね、「魂をあつかう人々」と出会った。
一例うぃあげるなら、チベットの叙事詩人ツェラン・ワンドゥという類稀な人物がいる。
彼の半生は波乱万丈に満ち、人生はシャーマン的要素にあふれていた。
彼は毎晩夢の中で神からケサル英雄王物語を授かった。
彼以外にもイ族やナシ族、リス族、ドゥロン族、ナムイ族、白馬族、リンブー族、タマン族、グルン族、
ニンバ族、キナウル人などのシャーマンやプリースト、さらにはサードゥ(インドの修行者)や
スーフィ、ブチェン(旅する芸能僧)など邂逅した人々は多彩である。
また私にとって「魂の風景」との出会いは「偉大なる魂」以上に鮮烈だった。

2010年7月27日(火)−8月1日(日)
11:00−19:00 (最終日は17:00まで)
ギャラリーTEN 
http://blogs.dion.ne.jp/blogten/archives/cat_246814-1.html
台東区谷中2−4−2 TEL 03−3821−1490


西はパキスタンの語り部やスーフィー・ナイトから東は台湾のタンキーやシラヤ族のおばあちゃんシャーマンまで、北は、ウイグル人のパクシ(あるいは中国新疆側アルタイのモンゴル人シャーマン僧)
南はバリ島のバリアンまでさまざまな人々に登場してもらうつもりです。

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by flammableskirt | 2010-07-12 14:52