田口ランディ Official Blog runday.exblog.jp

作家 田口ランディの新刊・イベント情報・近況をお知らせします。 


by flammableskirt
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10月18日のイベントについて

京都での朗読会とはガラリと違うムードで、おなじみ東中野ポレポレ座で月乃光司さんとごいっしょします。今回は「絶叫朗読の元祖」と言われる福島さんが加わり、絶叫テンションが上がりそうなので、私は重りとなるべく静かな朗読に終始しようと思っています。今回、題材に選んだのは、この2年ほど交流を続けている死刑囚の林泰男さんからの手紙です。

「手紙を朗読してみたいのだけれど、いいですか?」と、面会のときに尋ねたら、林さんはとてもうれしそうでした。現在、死刑が確定した林さんは家族と定められた友人3人というごくごく限られた人間としか交流できません。面会時間は一日一人で約12分〜13分です。わずかな隙間からかろうじて空が見える拘置所の一室で、死刑執行までの間、それが半年なのか、2年先なのか、5年先なのかわかりませんが、ある朝、死刑執行を知らされる時まで、母親の手に触れることも、雑草に触ることもなく、過します。もちろん、それぞれの人によって考え方は違うと思いますが、林さんはとても強く、誰かとつながることを望んでいました。

 彼はマスコミから「殺人マシーン」と呼ばれていました。それは、彼が地下鉄サリン事件のときに他の人よりも一袋多くサリンをまいたからです。しかし、現実にはそれは彼の上司でありすでに刺殺された村井氏からの強制的ともいえる「おまえがやってくれるな」という指示があったためであり、林泰男さんという人間はまっとうすぎるほどの思いやりと優しさをもった人であった、と、彼をとりまく多くの人々が証言していますし、私自身も交流をしていて「こんなあたたかい人が……」とがく然とすることがあります。なぜ、あなたは、あんな事件を起こしたのですか? という質問は繰り返し私のなかにわきあがり、本人にぶつけました。ときどき腹立たしくなることがありました。憎くなることもありました。なぜ、引き返さなかったのだ……と。でも、その答えを林さんもずっと求めていることに気がつきました。

いま私にできることは、選ばれた友人として林さんと文通を続け、たまに面会に行くだけです。ある朝、死刑が執行されるまで彼は生きている。だったら生きているかぎり外の社会とつながる方法を模索したい、しだいにそう思うようになりました。
彼に興味をもってくれる知人には、通信を書いてくれるようにお願いしました。手紙は決った人間からしか受け取れないけれど、通信や新聞形式なら受け取ることができるのです。私の娘は「ももの花だより」という絵日記風の通信を送っています。

林さんの手紙を読んでみようと思ったのは、もしかしたら、また誰かが林さんに興味をもってくれるかもしれないと思ったからです。当日は感想ノートやアンケートを用意しますので、どうか感じたことを書いてください。それを伝えます。

死刑というものが、どういう制度で、死刑になるとどんな生活を送るのか、どんな気持ちで死ぬ日を待つのか。なかなか想像することは難しいです。
みなさんが死刑について知る、よい機会になればと思っています。たぶん、びっくりするようなこと、目から鱗のことがたくさんあると思います。妙な制度です。目的は死をもって刑を執行することです。死刑囚は死をもって刑の執行とみなされるので刑務所には入らず拘置所で拘置され続けます。死刑確定から死刑執行までの間、拘置所で生きている死刑囚の生活を私はまったく知りませんでした。刑務所とは全く違います。死をもって罪を償う人間に対して、あまりにひどい待遇だと思いました。生きながら抹殺しているような……。でも、それもまた罪に対する罰なのだろうか。

この一カ月、林さんはこの朗読のために「遺書」を書こうと決意し、何通も何通も遺書を書き、でも、納得するものがまだ書けていません。私も膨大な量の手紙から何を選び、どう読んだらいいか、悩み迷っています。

一人でも多くの方に聞いてほしいです。ひと言でもいいから、コメントしてください。それを、なんとかして拘置所のなかに伝えたい。検閲は厳しく、個人に語りかけると思われるものは削除されてしまいます。でも、そんな法律に意味があるのだろうか……と、思います。たった一人、外の世界とのつながりもなく人間はどうやって変われるのでしょうか。自分を見つめられるのでしょうか。人は人とのつながりが切られた時点で、自分も見失うのに……と思います。



福島泰樹×田口ランディ×月乃光司
ジョイント朗読会 「言葉の場数」について


歌人で住職、絶叫朗読の元祖、福島泰樹、
作家の田口ランディ、アルコール依存症、引きこもりから回復して
心身障害者のパフォーマンス集団「こわれ者の祭典」代表として活動する月乃光司に
よる朗読会。

第1部は、「こわれ者の祭典」所属、神経症体験者のアイコによる自作詩の朗読から
始まり、
月乃光司によるアメリカ銃乱射事件新聞記事と自作詩の朗読。伴奏はギタリストのタ
ダフジカ。
第2部は田口ランディと月乃光司による「父」をテーマにしたショートトークと、
田口ランディによる、死刑囚の林泰男氏からの手紙朗読。伴奏はタダフジカ。
第3部は、福島泰樹による中原中也他の文章と自作短歌朗読。伴奏はピアニストの永
幡雅人。
福島泰樹と月乃光司によるコラボレーション朗読も予定。
終了時間、午後10時予定。

福島泰樹
朗読動画 YouTube
http://uk.youtube.com/watch?v=RxhtG48r1TM&eurl=http://mixi.jp/view_diary.pl?
id=957774403&owner_id=482294
1943年東京下谷に生をうけ、早稲田大学文学部哲学科卒業。1969年歌集「バリケード
・1966年2月」を刊行しデビュー。「歌謡の復権と肉声の回復」をスローガンに、
1970年より短歌朗読ステージを開始、「短歌絶叫コンサート」という新たなジャンル
を創出。自作の短歌のほかに、中原中也、寺山修司、中上健次などの短歌や戯曲など
を30年以上にわたり絶叫。全国でのライブは千数百回を越える。歌集に「さらばわが
友」「中也断唱」、「福島泰樹全歌集」全2巻、評論集に「宮沢賢治と東京宇宙」
「弔いー死に臨むこころ」など著書多数。他にCD、DVDなどを出版している。
NHK教育テレビの番組「知るを楽しむ・私のこだわり人物伝」ではナレーションを担
当。
受賞歴
1961年 第6回ブルガリア国際作家会議コンクール詩人賞受賞
1995年 第22回放送文化基金脚本賞受賞
1999年 歌集「茫漠山日誌」により第4回若山牧水賞受賞
現在、下谷にある法昌寺の住職を務めている。
「月光の会」主宰。
2006年9月、「バリケード・1966年2月」「転調哀傷歌」など6作品から百六十首を
選び、ピアニスト川口慈子が弾くショパン「革命」、バッハ「平均律クラビーア」な
どに合わせて朗読・絶叫しているライブ・CDアルバム「革命」をリリース。
2007年 中原中也 生誕百年を記念しNHK出版より「中原中也/帝都慕情」を刊行。5
月、CD「絶叫!中原中也」をリリース。
http://www.apia-net.com/fukushima/index.html

田口ランディ
2000年6月長編小説「コンセント」を出版。その後「アンテナ」「モザイク」(共に
幻冬舎)を発表。「富士山」「ドリームタイム」(文藝春秋)「ひかりのメリーゴー
ラウンド」(理論社)原爆をテーマにした短編集「被爆のマリア」(文藝春秋) 
「キュア」(朝日新聞出版)
ノンフィクションでは「忘れないよヴェトナム」「ひかりのあめふる島屋久島」「も
う消費すら快楽ではない彼女へ」(いずれも幻冬舎)
「ハーモニーの幸せ」
「水の巡礼」(共に角川文庫)
「オカルト」「神様はいますか?」「根をもつこと翼をもつこと」(いずれも新潮文
庫)「寄る辺なき時代の希望」(春秋社)な生きる意味を教えてください」(バジリ
コ)  http://www.randy.jp/

月乃光司
朗読動画 YouTube
http://uk.youtube.com/watch?v=kvP-LJjUstA
1965年生まれ。詩人、イラストレーター、心身障害者のパフォーマンス集団「こわれ
者の祭典」代表。小中学校といじめ被害者体験を持つ。 高校入学時から対人恐怖症
・醜形恐怖症により不登校になる。引きこもり生活、通算4年間を過ごす。24歳より
アルコール依存症になる。自殺未遂、アルコール依存症により精神科病棟に3回入
院。27歳から酒を飲まない生活を続ける。自助グループ活動で社会的に回復する。現
在は会社員として働きながら執筆、イベント主催など様々な表現活動を行う。自伝的
小説「アルコール依存症からの脱出・窓の外は青」(新潟日報事業社)を平成13年に
出版(新潟市民文学奨励賞・新潟出版文化賞文芸賞)。自作詩の朗読活動を行い、N
HK「福祉ネットワーク」日本テレビ「Dの嵐」フジテレビ「スーパーニュース」で
取り上げられて全国的な注目を集める。2008年5月より、インターネット上で「死の
連鎖」から「生の連鎖」を目指す『ストップ!硫化水素自殺』キャンペーンを実施
中。現在のレギュラー活動は、新潟日報第2日曜日雨宮処凛「生きづらさを生きる」
イラスト連載中、インターネットラジオ「オールニートニッポン」月乃光司×戸川純
『ハート温泉』第2第4木曜日レギュラー出演中、NHK福祉ポータル「ハートネッ
ト」エッセー連載中。新潟県新潟市在住。http://sky.geocities.jp/tukino42/

2008年10月18日(土) 午後6時30分開場 午後7時開演(終了予定午後10時)
出演:福島泰樹・田口ランディ・月乃光司・アイコ(オープニングアクト)
演奏:永畑雅人(ピアノ)・タダフジカ(ギター)
会場:東京都中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル1F 「Space&cafeポレポレ坐 」
アクセス http://polepoleza.jugem.jp/?cid=5
料金:3000円ワンドリンク付 (限定100人)
障害者手帳持参の方は2000円

■予約方法お名前、連絡先電話番号をお書きになり下記迄、メールかFAXでご連絡下
さい
FAXの方はFAX番号もお書きになって下さい。
(障害者手帳持参の方はご記入をお願い致します)

件名「朗読会予約」
tukino42@yahoo.co.jp 
FAX 0465-64-1087「朗読イベント事務局」
※注意事項
●予約はお1人様1名の予約となります。(複数予約不可)
●予約が成立した方には、返信メールかFAXにて整理番号をお知らせします。不達
の場合は電話にて連絡させていただきます。返信に数日かかる場合がございますので
ご了承下さい。
●当日は6時半より整理番号順の入場となりますので、必ず整理番号を控えて当日お
持ち下さい。
●定員になり次第、受付終了となります。
問い合わせ:03-3227-1405(ポレポレ座) 
お電話でのご予約は受け付けておりません。
by flammableskirt | 2008-10-09 10:10 | イベントのご案内