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by flammableskirt
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セロリスープ

四季のなかでは、冬が一番好きです。特に12月から1月にかけての季節、こんな寒い日の曇った窓硝子を透かした外の景色を眺めて、ぼんやりとしていると、こころのなかの雪原にしんしんと雪がふり続くようです。二〇代の頃は寂しくてやりきれなかったのに、だんだん、寂しさそのものになって真っ白になっていくような、この感じがとても平安で美しいものに思えてきた。寂しいことが苦しくなくなるのは、救いですね……。ずっと、寂しくてたまらなかったから。寂しくて恋しくて、いつもなにかを求めていた心から、解き放たれていくのは、なんという安らぎだろうか、と、この季節になると、そのことをとてもしんと思うんですね。

若い頃って、クリスマスやお正月に一人でいるのが辛かった。自分だけが取り残されたみたいで、誰かと一緒にいたくって、誰かとつながっていたくて、なにかをしていないではいられなかった。でも、そういうことにだんだん興味がなくなって、お掃除をしてきれいになった空気の澄んだお部屋で、あったかいスープを手をかけて作ったりして、それをゆっくり時間をかけて飲みながら、遠くの山に雪が降っている、そのグレイの雲を眺めているのが、心から静かに幸せでみちたりて感じるとき、ああ、生きていて良かったなあと思う。

あんなにせつなくて、人恋しくて、寂しかったわたしが、こんなふうに一人を楽しめるようになるなんて、思いもしなかったけれど、人間は変わるし、なにを幸せと思うかということも、どんどん変化していく。その変化を拒まない自分でいられたことが奇蹟だと思う。かつて、したかったことと、いましたいことは違うし、そして、これからも違うのだ。でも、いま、この瞬間にじぶんがしたいことがわかるということを、いまは幸せだなあと感じる。

静か……。とても静かな、一日でした。 セロリスープもおいしくできた。
by flammableskirt | 2012-01-21 15:58