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六月は時間について考える

六月に入った。
ということは当然ながら、今年も中盤にさしかかったということであり、その事実にびっくりする。わかっていることにびっくりするというのも妙だが、やっぱりびっくりする。なんで?と思う。
確かに、いろんなことをした。ものすごく出歩いて人にも会ったし、たくさんの発見があり、新しい興味がわき、本も読んだし、映画もたくさん観たし、本も出したし、連載も始まった。じゅうぶんやれるだけのことをやっているし、毎日くたくたになるまで生きている。それでも……、なにもしていないという気分になる。
いったいどこまでやれば、そしてどうやって生きれば、納得できるんだろうか。
一日の終わりにはそれなりの納得があるが、月の終わりには徒労感が残る。
なにか結果が出ていないような気がしてしまう。そんなことはなく、本は出ているし、原稿は書いているし、ちゃんとやれているのだが、やっぱり「ぜんぜんなにもしていない」という気分になってしまう。
どうしてだろうか。この、自分のやったことに対する満足感のなさは……。
今月こそは「よし、今月はよくやった」と言える月にしたいと思う。
そうするにはどうしたらいいんだろうか? なにが足りていないんだろうか。
考えることか、行動することか、それとももっと別のなにかだろうか。

……と、ここまで考えて、昨日、久しぶりに読んだエンデの「モモ」を思い出した。
なにごとも時間がかかる。時間が必要。モモはそう言っていた。
私はたぶん時間泥棒に時間を盗まれていて、それで月の終わりになると徒労感が残るんだろう。
なにひとつ結果なんて出せないんだ。そんな短い時間で。
何十年もの時が必要なんだよ。一つのことを考えるにも、一つのテーマとかかわるにも、一人の人とつきあうにも……。時間をかけることだ。
とにかく時間をかけてやることだ。そう言い聞かせて今月は過そう。
時間がいる。なににつけても時間がいる。即席でやらないこと。時間を無駄にしていると思わないこと。時間というものの見方を変えること。時間と競走しないこと。自分の人生に流れる時間、自分の速度について知ること。時間について学ぶこと。
六月はそんな月にしよう。
by flammableskirt | 2009-06-01 17:55